昨年の都市対抗野球に東北第1代表で出場したJR東日本東北(宮城)が26日、千葉・柏市内で第2次キャンプを開始した。

今春に入社内定のルーキー7人も、15日に始動した静岡キャンプから猛アピール。昨春の北東北大学リーグで八戸学院大(青森)の11季ぶり優勝に貢献した冨田日南登(ひなと)内野手(22)は、慣れ親しんだ三塁ではなく二塁手の新ポジションに挑戦中だ。三沢商(青森)時代には甲子園で本塁打も放った男が、1年目から定位置獲得に挑む。

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冨田は居残りでゴロ捕球を最後まで繰り返した。野球人生初となる二塁手の本格チャレンジ。「体の向きとか違うことも多くて苦しんでいます」と苦笑い。大学時代は三塁手だったが、遊撃も含めたレベル向上で出場機会を増やす、首脳陣からの期待の表れでもある。「足の運びだったり、捕球位置だったり、すべて基礎からやり直している感じ」。捕球時にグラブが右肩方向に引く癖を指摘されるなど、修正点や課題に日々向き合うキャンプ生活が続いている。

高校時代は私学を撃破し、甲子園出場を導いた。花咲徳栄(埼玉)との2回戦で左越え2ランを放ったが、3-15と初戦敗退。昨春の大学選手権でも佛教大との初戦で3-0から9回に4失点してサヨナラ負け。「誰か1人でも気を抜けば1勝が遠くなることは学んだ」。社会人で全国舞台のリベンジを果たす気持ちも強い。二塁には昨年の都市対抗2次予選MVPの菅野赳門内野手(23=駒大)が君臨。「スタメンで出ることが1番の目標。赳門さんと遜色ないプレーを出来るようにして越えたい」。菅野の守備技術を間近で参考にしつつ、競争を激化させるつもりだ。

愛着ある東北での野球生活継続に、喜びと責任も感じている。「東北で生まれ育ったし、親にも道具などを買ってもらってきた。社会人で野球が出来るのは当たり前のことではない。お金ももらっているし甘くない」。3月12日開幕の東京大会(神宮ほか)が公式戦初戦。東京五輪の影響で11月22日開幕に変更された都市対抗(東京ドーム)までシーズンは続く。「集中力が途切れないチームが日本一になれる。とにかく練習」。日本選手権(7月2日開幕、京セラドーム大阪ほか)との2大大会での躍進に、努力を積み重ねる。【鎌田直秀】

◆冨田日南登(とみた・ひなと)1997年(平9)9月24日生まれ、青森・三沢市出身。三沢小2年に三沢小ジャイアンツで野球を始め、三沢二中では軟式野球部。三沢商では1年春からベンチ入りし、高3夏に甲子園出場。八戸学院大でも1年春からベンチ入りし、4年春に富士大の11連覇を阻止。176センチ、70キロ。右投げ右打ち。家族は両親と妹、祖父母。血液型B。

▽矢野目(最速152キロの道産子右腕)「スピンの効いた強い真っすぐでチームの力になりたい」

▽前田(甲子園出場も経験した技巧派左腕)「コントロールと球のキレが持ち味。新人らしく思い切りの良い投球がしたい」

▽坂田(秋田市出身で東北の地に決意新た)「ストレートの回転量には自信がある。抑えでも先発でも、いろいろな場面で投げられる投手になりたい」

▽寺沢(恵まれた体格からの長打が魅力)「内外野どこでも出来ることと打力を生かしたい」

▽坪倉(全日本大学選手権の準V捕手)「自分の売りはセカンドスロー。3人の先輩捕手を越せるよう1年目からアピールしたい」

▽若林(本来は捕手だが外野手で勝負)「まだまだ完成されていないけれど、自分の持ち味はパンチ力のある打撃です」