西武平良海馬投手(20)が、実戦を想定したブルペンで150キロを連発した。

3月31日、埼玉・所沢のメットライフドームで行われた全体練習でブルペン入り。開幕延期を受け、試合での登板は遠ざかっているが「投げられるときに投球練習を多くしていきたい。練習は今しかできないので。ブルペンの優先順位は高くなっていく。練習の日はできるだけ入りたい」と、実戦を想定した。

20歳の「マインドマップ」はシンプルだ。試合でいい投球をすること。そのために練習の質を上げる。だから「投手は投げられる球数は決まっている。休みに体を動かすことはありません。休みにすることは、なるべく早く回復して、状態を整えること。そうやってブルペンに入る回数を上げていきたい」。練習熱心な右腕が、休日はあえて“家トレ”をしない。実際にチーム全選手が自宅待機となった同28、29日も一切、体を動かさなかった。すべてはブルペンのためだ。

休み明けには、連日朝からウエートトレーニングで体を動かす。全体練習では球の質を上げるために、自費購入した約70万円のポータブルトラッキングシステム「ラプソード」で回転軸を確認。「ジャイロ(スライダー)回転しないようにフォーシーム(直球)をよりきれいに投げることが、今の一番のテーマ。考えはだいぶ絞れてきました」とつかみつつある。

活動自粛や自主練習に変更するチームが増える中、西武は体調管理を徹底した上で、4月2日まで全体練習を予定。「いい練習ができている。ラプソードを買って、本当によかった」と練習ができる喜びをかみしめる。ブルペンを支える最速158キロ右腕は、真っすぐな志を胸に秘めながら、練習に打ち込んでいる。【栗田成芳】