日本ハム栗山英樹監督(58)が1日、生活拠点を置く北海道・栗山町にある「栗の樹ファーム」でオンライン取材を受けた。インターネット電話「スカイプ」を利用して、札幌市内の球団事務所とつなぎ、指揮官の近況やチームへの思いなどの質問に答えた。

新型コロナウイルスの影響でチームが自主練習の措置を取る中で、どのように過ごしているのか。

栗山監督 ここにいて、いろんな人と電話で話をしながら、選手の代わりに自然のお世話をして、本をじっくりと読ませてもらっています。動物とも話をしていますね。この時間をもらったことによって今まで考えていたことを1回、元に戻してゼロから考え直した方が良いかなということがいくつか出てきた。それをしっかり始まるまでに整理したいと思う。

自然とのふれあいは、栗山監督の野球観を形成するベースとなっている。以前、指揮官は「自然は、手を入れるといつか反応するんだ。人も選手も一緒だと思う」と話したことがある。選手に対して最後に“手を加えた”のは自主練習が始まる前(1軍は3月24日、2軍は同25日)。清宮や吉田輝ら若手選手には、強いメッセージを送った。

栗山監督 単純に、もっともっと野球をうまくならなきゃいけない時期の選手は、この時間を何に使うのか。野球がうまくなるために、どう使っているのかを神様は見ている。それがちゃんと出来なかったら、結果なんて残らない。これはもう、監督が言う問題ではないと思う。本当に命懸けで頑張りきった人にしか、神様は応援してくれない。

栗山監督は東京・小平市出身。隣接する東村山市出身の志村けんさんの訃報にも心を痛めた。

栗山監督 お会いしたことはなかったが、本当に聞いたときには苦しかったし、つらかったし、グサッとささってしまった。

指揮官は開幕延期が決まった時から、プロ野球界が「我慢」を示すことが必要だと説いてきた。

栗山監督 やっぱり命が大切なんで。それを守る責任も自分にはあると思っているので、しっかり順番を決めて指示を出している。選手は当たり前に野球があったことが、いかに幸せだったのかと絶対実感してくれているはず。やっと思い切り野球が出来る日のために、どれだけ我慢しながら準備するのか、とウチの選手は思ってくれていると信じている。

球団も細心の注意を払いながら、選手の練習環境を確保している。できることは、感染予防も含めてプロの自覚を持って全力の準備を尽くすこと。栗山監督も今は与えられた環境で、まだ見えぬ開幕へ向けて感性を研ぎ澄ませている。【木下大輔】