開幕を待つ日本ハムファンのみなさんへ。日刊スポーツのインタビュー企画第5弾は、大田泰示外野手(29)です。プロ12年目の今季は、打順に強いこだわりを持って臨んでいます。ライバルとなる存在に、勝つためには。ファンの心を揺さぶるプレーとともに「誓い」を打ち立てました。【取材・構成=田中彩友美】

-「誓い」は

大田 自分の目標、目指すところ、やりたいこと、やるべきことはオフシーズンからずっと言っているように「4番を打てるように」だね。

-4番へのこだわり

大田 (これまでも)4番を打ちたい気持ちはあったけど、自分の力量とかチームのメンツとかいろいろ考えたときに、4番の想像はつかなかった。ファイターズにきて、試合に出させてもらって、目指していいんじゃないかな? と。自分の欲かもしれないけど。監督が決めた打順を打つ。それが僕らの仕事なんだけど、そこを目指す努力はやらなきゃいけないなと思った。

-理想の4番像

大田 チームが負けている雰囲気だろうが、勝っている試合展開だろうが、4番は4番の仕事をしっかり全うして、なおかつ頼りがいのあるチームの核となる。そういう打者になれるように。場の雰囲気を一変させられるのも4番だと思うし、競って競って厳しい試合でも4番に回ってきたら何とかしてもらえるという、爆発力があるのが4番だと思う。

-4番には中田がいる

大田 やっぱり中田さんていうのは、そういうものを持っている。中田さんは確かに実績もあるし高校の時から騒がれて、日本の4番も打って、ファイターズの不動の4番になっている。だけどそこに「中田さんが4番だよね」という雰囲気じゃなくて、僕が動かしたいというか何か変えたい。僕自身も変わりたいという思いでやってきた。野球というのはそんなにうまくいかないけど…難しいっすね。

-4番大田の持ち味は

大田 僕は中田さんみたいに生粋のアーチストじゃないから。本塁打だけじゃなく、しっかり得点圏でランナーをかえす。自分のバッティングをしっかり切り替えて、右打ちするなら右打ち、チームに徹せられる4番でもあり、頼りになる4番になれればカッコいいなと思う。

-4番がヘッドスライディングしたら盛り上がる

大田 あんまり出したくないんだけど…ケガのリスクがあるから。でも局面でランナー出したいときがあるからさ。143試合の1試合しか見に来られなかった人がいるわけじゃん。北海道で、ましてや遠いところで今日初めて見に来ましたっていう人が。1試合を全力でやって、大田泰示っていう人間は一生懸命、諦めない。そういう姿でやっている選手なんだって見てもらえれば、うれしいね。