4月6日は163キロ記念日-。ロッテのドラフト1位・佐々木朗希投手(18=大船渡)が、国内高校生史上最速の163キロをマークしてから6日で1年を迎える。井口資仁監督(45)が先発育成での170キロ到達を期待する大物は、この1年間でどれだけのものを示してきたのか。投球結果に関するデータを読み解く。【構成・金子真仁】

   ◇   ◇   ◇

高3時に公開された15試合で、262人から125個の三振を奪っている。対打者の47・7%が三振になる結果だ。

163キロのイメージが強いが、奪三振の約6割が変化球を空振りさせてのもの。ただ、スライダーが142キロをマークする時もある。昨夏岩手大会ではスライダー2球で追い込み、160キロ直球で外ぎりぎりを突き、最後はまたスライダーで三振シーンも。投手としての総合力が高い。

右打者に比べ、左打者の外野フライが少ない。直球をしっかり転がそうという意識が強いのか、一ゴロは1個もなく、三ゴロも1個だけ。二ゴロは9個あった。バッテリーや一塁、三塁への高いフライは、左右合計で3個しかなかった。打者が力勝負を挑んでも、押し込みきれない球威を物語る。唯一の被本塁打は浮いたスライダー。2年生の右打者に左翼席へ運ばれた。

◆奪三振割合(K%) 奪三振÷対戦打者数で計算。過去、対戦打者数200以上で最も高かったのは、97年佐々木(横浜)の45・2%。佐々木は96年にも40・0%を記録したが、40%以上は15、17年サファテ(ソフトバンク)19年ジョンソン(阪神)の過去3人(5度)しかいない。先発投手では15年バンデンハーク(ソフトバンク)の32・5%が最高で、日本人トップは68年江夏(阪神)の31・9%と、佐々木朗の47・7%がいかに優れているかが分かる。