野球のセオリーは本当か? 一般的に投手は、2球で2ストライクに追い込んでも、次の球はボール球を投げるケースが散見される。1球外すことに意味があるのか。3球勝負するべきなのか。プロ野球(NPB)やMLBのデータを徹底検証した。【特別取材班】

◆佐々木主浩氏

私の現役時代は3球勝負が多かった。3者連続三振で、1回を9球で終わらせたこともあった(大洋時代の91年8月28日広島戦。9回に達川、原、音から3連続奪三振)。次の4球目を生かす球であればいいが、2ストライクの後、何も考えずに外に1球外すというのは必要ない。特に私の場合は球種が直球とフォークの2種類だけ。わざわざ遊び球を投げる必要もなかった。

強いて言えば、1球外すとしたら内角高めの直球や打者が手を出しそうな際どい変化球だろう。例えば、2ストライクの後、インハイに1球外す。打者がセオリー通りに考えるのであれば、4球目は外角低めの変化球だと思うだろう。私であればフォークだ。その時に逆に直球で内角を突いても面白い。そのように打者を迷わせる、考えさせるための3球目であれば「あり」だと思う。

プロ野球では同じ打者と年間を通じて何度も対戦する。3球勝負でも、1球ボールを挟むとしても、打者を迷わせる投球が大前提だ。その1打席だけでなく、次の対戦に生きるような配球を心がけなければならない。(日刊スポーツ評論家)