オリックス海田智行投手(32)が「歴男」になった。29日は大阪市此花区の球団施設で自主練習。「先が見えない状況ですが、プロ野球選手としてオフの自主トレ、キャンプでやってきたベース(土台)を落とさないようにしています。とにかく気がめいらないようにと思っています」と明かしたが、新型コロナウイルス禍で開幕が決まらない現状でも、気持ちを切り替える方策を編み出していた。

方策とは、日本史の勉強。社会の教員になった駒大時代の同級生に頼んで、日本史の資料や問題集を手に入れた。「何かに集中することはリフレッシュになると思います。日本史が好きなので、それをやってますね」と意図を説明。戦国時代に生まれていたらよろい、かぶとの武者姿も様になりそうなイケメンが、自宅で日本史の問題集に向かい、歴男となって歴史の世界に浸っている。

開幕に準備する中、社会を支える人々への感謝を忘れない。「こういう状況の中でも必死に働いてくださっている方たちがいて、日本を支えてくれているということを忘れてはいけないと思います。感謝しかありません。そういう中、自分たちは球団施設で自主練習ができている。それだけでありがたいと思います」と、ウイルスに立ち向かうエッセンシャルワーカーに頭を下げた。困難な状況でも自分の仕事をやり続けた人々がいるからこそ、途切れることなく歴史は続いてきた。先人たちの奮闘を頭に刻みながら、必勝継投を支える左腕は開幕への準備を整える。【堀まどか】