プロ野球は25日、12球団代表者会議を開き、同日に1都3県と北海道の緊急事態宣言が解除されることを前提として、6月19日の開幕を発表した。当面は無観客とする。

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開幕日が決まって、ひとまず安心したというのが正直な心境です。約3カ月遅れですが、新型コロナウイルス感染拡大した春先の状況からすれば、なんとかこぎつけることができた。

まず、セ・リーグは関東で集中開催するようで、阪神は東京ドームでの巨人3連戦で開幕するといわれています。本来の日程でいくと6月19日は甲子園で行われるはずのカードが、敵地開催となったわけです。

阪神にとってビジターの試合が続くことで不利かというとそうでもない。東京ドーム、神宮、横浜など、ホームの甲子園に比べて狭い球場でのゲームは“追い風”になるかもしれません。

開幕ダッシュは外国人にかかっている。実戦で打球が上がらなかった左の4番候補ボーアにとって、日本の風習に慣れる気分転換になった。浜風の影響を受けない東京ドームは上昇気流に乗るチャンスととらえたいですね。

またレギュラーシーズンの120試合制では連戦続きになることが予想されます。特に開幕当初は独特の緊張感で、先発がロングイニングを投げるのは難しい。そこで中継ぎ陣の戦力層の分厚いチームが有利になります。能見、藤川らベテランに、エドワーズがはまれば面白い。故障で出遅れていた岩崎、島本らにとっても、開幕遅れで調整期間に充てることができました。ここも前向きにとらえることができます。

当分は無観客試合ですが、阪神には甲子園の熱狂的な声援が強力な後押しになる一方で、案外プレッシャーに感じている選手もいます。むしろビジターのほうがノビノビとプレーできるという見方もできるでしょうね。(日刊スポーツ評論家)