さあ開幕じゃ! 日本野球機構(NPB)は25日、オンラインで臨時の12球団代表者会議を開き、セ、パ両リーグ開幕を6月19日に決定した。新型コロナウイルスの感染予防のため当面は無観客で行い、120試合を予定。当初の3月20日から3カ月遅れの開幕が決まり、広島の佐々岡真司監督(52)と選手会長の田中広輔内野手(30)が気持ちを新たにした。

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広島のV奪還へ向けた戦いがいよいよ始まる。待ちに待った開幕が決まった。

当初の3月20日からたびたび日程がずれ込んだが、選手たちは懸命に汗を流してきた。待ち焦がれた吉報に佐々岡監督は「はっきりとした日程が決まったので、気持ちも新たにそこに向けてしっかりと準備をしていきたい」と前を向いた。

このまま本当に開幕できるのか-。ウイルスという見えない敵への不安と闘いながら、工夫を重ねてコンディション維持に努めてきた。4月8日から全体練習を中止してA班、B班の2チームによる分離練習を開始。同19日からはさらに各班で投手、野手に分かれる4チームにして1勤1休で練習を続けた。5月17日からは投手と野手が合流して再び2チーム、そして21日からは1軍全選手が集まってチーム練習が再開した。

離散集合の日々を重ねた末、ようやく開幕日が見えた。それでもナインは一喜一憂しない。選手を代表して田中広は「日程が決まったので、その日に向かって全力で調整するだけ。まだまだ油断できない状況なので、1人1人が自覚を持った行動をして開幕に備えていきたい」と語り、気合を入れ直した。22、23日に行った実戦形式の打撃練習で、自身は8打席で安打性7本。「練習が長かった中で、しっかり自分の形で練習することができた。それが良い形に出ている」。リーダーの1人として、安定感ある打撃で順調な調整ぶりを示した。

チームは今月末に紅白戦を予定し、6月2日からの練習試合4カードを経て開幕を迎える。田中広にとっては昨年8月の右膝手術から復活を懸けたシーズンにもなる。「ここからが勝負。生きた球を見ながら、しっかりどんどん合わせていきたい」。待ち望んだ開幕に向けて調整ペースを上げていく。【古財稜明】