開幕ローテーション入りが決定的な広島ドラフト1位の森下暢仁投手(22)が30日、約2カ月ぶりの実戦で快投した。マツダスタジアムで行われた紅白戦に先発。最速150キロの直球を軸に主力を圧倒し、3回を1安打無失点に抑えた。

「最初はよかったけど、3回はばらつきがあったので、そこがなくなるようにしていきたい」。ブランクを感じさせない安定感を見せたがどこまでも謙虚だった。

立ち上がりから上々だった。初回の田中広、菊池涼、長野を全て内野ゴロで3者凡退。2回は鈴木誠、西川の主軸を相手に直球とカットボールで外野フライに仕留め、安部は低めのチェンジアップで空振り三振。上位打線を手玉に取り、2回まで完全投球を披露した。3回は先頭を四球で出塁させ、1死一、二塁のピンチを招くも注文通りの併殺打。1度も三塁を踏ませることなくマウンドを降りた。直球に手応えを感じながらも「カーブとチェンジアップの精度を上げていきたい」と引き締めた。

ルーキーの投球内容を見守った佐々岡監督は「久々の割にはよかったんじゃないですか」と及第点を与えた。6月19日の開幕まで登板機会は多くて残り2試合。1年目の右腕にとっては調整が難しい船出になる。「開幕が決まった時から緊張感と、やっと始まるんだなという思いもある。これからどんどん気持ちが入っていくと思う。(完璧に)持って行かないといけない」。鯉の背番号18が、エンジン全開で開幕に突き進む。【古財稜明】