日本ハム不動の4番中田翔内野手が放った本塁打は、驚異の滞空時間だった。

2点を追う初回2死一塁。曇天の横浜の空に高くたたき上げた打球は1、2、3、4…7秒後、左翼席で弾んだ。漫画ドカベンの坂田三吉の「通天閣打法」のような同点2ランにも「札幌ドームではレフトフライかな」と自虐的に振り返った。現状は「話にならない。ちょっとダメ」と切り捨てた。

試合後には特打も行った。「体の軸だったり、正直ブレブレなんでね。打ちに行くけど、ちょっと突っ込んでいて軸がぶれている」と修正に取り組んだ。公式戦であれば結果を喜ぶが、開幕まで残り少ない練習試合では内容を追い求めていく。「自分の中で感覚のいい三振の方がオレは欲している。内容の悪いホームランは正直いらないからねぇ」と理想と程遠いアーチに曇り顔。開幕までに“レベチ”な打撃を取り戻す。