チームを6連勝に導いたひと振りは、自身のポジションを確固たるものに近づけた。ロッテ藤岡裕大内野手(26)が値千金の逆転適時二塁打を放った。

1点を追う、8回2死一、二塁だった。「プレッシャーは感じなかった。みんながつないでくれたので、何とかしたいという思いだけでした」。オリックス海田の低めを左中間にはじき返すと、前進守備の外野陣の間を抜けていった。

打率は2割少々ながら、捕手後方へのファウルが多く、状態は悪くない。チームのムードにも後押しされている。「みんな最後まで諦めず、投手も野手も、みんなで一丸になって戦いにいけているのがいい形になっている」と話す。

3月に同じ遊撃手の鳥谷が入団した。井口監督が鳥谷起用法について「藤岡に代打を出した場合は、遊撃を守れる選手も必要」と言及していた。いきのいいルーキー福田光もいる。それでも開幕後7試合、藤岡に代打は出されていない。

守備の安定も光る。「だいぶ必死になってできるようにというか…いい動きになってきている」と自覚するように、二塁の中村奨も含め、球際の強さで何度も投手を救っている。この日の一打で、さらに存在感はアップ。遊撃手の固定は、チームにとって間違いなく好材料だ。【金子真仁】