巨人長嶋茂雄終身名誉監督(84)が、自身の持つ監督通算1034勝に、肩を並べた原辰徳監督(61)について、球団を通じてコメントを寄せた。

長嶋終身名誉監督のコメントは以下の通り。

「原監督の指揮官としての力量を考えれば、驚くことではないと思います。むしろ私がそんなに勝利数を残していたことに驚きました。原監督とは、私が2度目の監督に就任した際、現役で3年間、コーチとして3年間、共にジャイアンツを支えましたが、果たして彼の役に立てたかどうかは甚だ疑問です。ただ『自分の後は原しかいない』『将来のジャイアンツ魂を受け継ぐことが出来るのは原しかいない』と考え、2001年後半戦から最終戦までヘッドコーチだった彼に、こっそり指揮を執らせ、実戦経験を積ませたことは、私の心の中ではひそかな自慢となっています。原監督の采配の最も優れているところは、攻めるところは徹底的に攻め、守る所は徹底的に守るという姿勢です。メリハリがあるということです。実はこれはとても大切な概念で、物事に緩急や強弱を付けることは、新たなパワーを生む言動力につながります。原ジャイアンツの試合内容に爆発的な展開が多いのは、選手たちにその思いが伝わっているからでしょう。私は15年間で1034勝をさせてもらいましたが、原監督は14年目で1034勝、私は65歳までジャイアンツの監督をやらしてもらいましたから、原監督の61歳は、まだまだ若い。未来永劫(えいごう)、ジャイアンツの地盤がしっかりと固まるまで、チームをけん引してもらいたいと思います」