守護神デラロサの離脱から一夜明け、巨人原辰徳監督(61)が新クローザーに沢村拓一投手を指名した。7日、阪神戦が雨天中止になり、甲子園の室内練習場で調整を行った。「昨日3人にライン送って、どう考えてるかって。三沢(投手コーチ)と村田善(ブルペンコーチ)とミヤ(宮本投手チーフコーチ)に。それぞれ意見はあった」と吸い上げた。

左脇腹肉離れのデラロサの離脱は長期化する恐れがある。「プランA」は、開幕から安定する「8回の男」中川の配置転換。各コーチの意見を聞いた上で、方向性を明確にした。

「中川を一番後ろというのは比較的やさしいかもしれないけど、7回、8回に置いておく方がいいと思う。リリーフで一番安定している。あえてそこは動かす必要はない。やっぱり沢村に期待なんじゃないかな」

クローザー沢村。16年は37セーブで最多セーブ投手に輝いた。実績は十分。155キロを超える直球に150キロ台のスプリットと、ポテンシャルは誰もが認めるが直近は安定感を欠いた。

1日のDeNA戦。1点リードの8回に2四球でピンチを招いて降板し、チームも逆転負けした。指揮官はベンチ内で自らの横に呼び寄せ“公開説教”。「チームが困っている時に何とかしてもらいたい。もうリーダーなんですから」と厳しく叱咤(しった)した。

沢村は「常に期待は感じています。結果に結び付けられるようにしたい」と受け止め、前カード中日戦は2試合連続無失点と復調の兆しを見せた。クローザー沢村を軸に、中川は相手の打順などによって柔軟に起用。デラロサの代役には167キロ右腕のビエイラを1軍昇格させ、総力戦で窮地を乗り越えていく。【前田祐輔】

巨人宮本投手チーフコーチ(沢村の守護神起用に)「居場所を与えたら、やる男。野球人生かけると思いますよ。ここでかけてもらわないと。30歳を過ぎて、もう1度そこ(抑え)にかえれるのは、何らかの縁だと思うんです。もう生きるか死ぬかでやってくれると思いますよ」