阪神高橋遥人投手(24)が、左肩のコンディション不良から実戦復帰後2度目の登板で圧巻の投球を見せた。ウエスタン・リーグ、ソフトバンク戦(鳴尾浜)に9回から3番手で登板。伸びのある直球で1回を無安打無失点で2三振を奪い、復活を印象付けた。

うなるような直球が戻ってきた。まずは先頭の1番佐藤。1-2で捕手の坂本は外角低めにミットを構えた。狙い通りにズバッと投げ込んで見逃し三振。続く2番川瀬は左飛。3番中村晃も簡単に2球で追い込み、最後は見逃し三振に仕留めた。3人への最終球はすべてこの日最速の148キロ直球。「ストレートはしっかり狙ったところにいった」。故障前の本来の姿が戻ってきた。

今季は先発ローテーションの軸として期待されながら、4月の自主練習再開後も状態が上がらず、開幕ローテから外れた。復帰登板だった3日の同リーグ中日戦(ナゴヤ)でも1回無失点の好投。中4日で文句のつけようのない投球内容に平田2軍監督も「完璧だな。スピードといいコントロールといい申し分ない」と舌を巻いた。

今後は段階を上げてイニング数を増やしていく。「次からはイニングも増えてくる。いろんなボールを使って抑えていけるようにしたい。次もしっかり投げられれば」。夏場の救世主となる左のエース候補は、復活への歩みを着々と進めている。【只松憲】