この1カ月間、ロッテ投手陣の課題だった“7回の男”に、唐川侑己投手(31)が名乗りを上げた。

9日のオリックス戦(京セラドーム大阪)で、今季初めてリード時の7回に登板。スコアは1-0。先発初勝利をかけた中村稔弥投手(24)が6回無失点で降板し、失点できない場面だった。

しかし、そこはさすがの落ち着きだ。先頭のモヤを大きく落ちるチェンジアップで空振り三振にすると、続く宗も同じように空振り三振。安達も詰まった投ゴロに封じ、12球で危なげなく終わらせた。

7月9日にジャクソンが退団し、救援陣の再編成を余儀なくされた。開幕から7回を任されていたハーマンが8回へ。6、7回が手薄になる中で井口監督も「いろいろ考えています」と、投手コーチらと思案してきた。

千葉・成田高からドラフト1位で入団し、地元球団一筋で13年目になる。7月30日、楽天戦(ZOZOマリン)での今季登板では、リリーフで唐川の名前がコールされると、ファンからひときわ大きな拍手が起きた。1軍昇格後、ここまで5試合に1イニングずつ登板。2安打4奪三振無失点と抜群の安定感だ。

9日の試合後には井口監督も「あのあたりのイニングが一番不安定だったんですけれど、しっかり唐川が出てきてくれてピシャリと抑えてくれた。8回、9回とハーマン、益田へつなげるようになったと思います」とコメントした。11日からはZOZOマリンでの6連戦が2カード続く。真夏のブルペンを、豊富な経験で支える。【金子真仁】