阪神が今年初めて水曜に勝った。8月初の連勝。5カードぶりに勝ち越し、3位に浮上した。

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珍しいシーンを挟んだ阪神の継投策は勝利につながっていた。最後は1点差に迫られたが、ストッパーのスアレスがリードのまま締めた。中4日登板だった先発青柳からバトンを受けた4人の救援投手。中でも、目を引いたのは、3番手ガンケルだった。

◆登板状況 3点リードの6回1死二、三塁。代打ロペスが告げられたところで登板。来日初のイニング途中でのマウンド。ロペスは打ち取ったが、2死後に連打され、1点差に詰め寄られた。自身の失点はついていないが、本人は「(6回は)ゼロで抑えないといけない場面で、失点をしてしまったことは悔しい。最近はゼロで抑えることができていたから、今日もそれを続けたかったね」。

◆打席へ 7回の攻撃。リードを2点に広げ、2死満塁。打順が9番に回った。阪神ベンチは代打策ではなく、ガンケルをそのまま打席へ。救援投手を打席に立たせた上での回またぎ登板を選択した。救援登板時の打席は初で空振り三振。

◆2イニング目 ガンケルの回またぎは9日広島戦に続いて今季2度目。7回は先頭打者を出塁させたが、スコアボードに0を刻んだ。「(回またぎについて)チームの勝ちにつながるのなら、どんな場面でも投げたいと思っているよ。それが長いイニングを投げることならば、これからもどんどん投げていきたいね」(ガンケル)。

矢野監督は言った。「9連戦でなかなかピッチャーの使い方も難しい…。なかなか(使い方を)決められていない状態なんで。その中で、こうだと思ったことをやった。(6回は)ロペスを打ち取ってね。もちろん、あそこをゼロでいってくれたらもっと最高やってんけど。イニングをまたいでいってくれたし。すごく助かっているよ」。

救援陣は抑えスアレスが決まっているが、リード時の継投パターンが固定されているわけではない台所事情がある。現在セットアッパーとして中心的な存在がガンケルと馬場。外国人選手のベンチ入り人数の関係上、ガンケルはガルシア先発の前日11日は試合メンバーから外れるなど2日間登板がなかった。そして試合前の時点で救援登板7試合連続で無失点。その右腕に2点のリードを保つ7回のミッションが託された。

今季4ホールド目。珍しい状況の中でも仕事を果たした。【松井周治】