元ロッテで日刊スポーツ評論家の里崎智也氏(44)がライブ評論で注目プレーを解説。

先発は巨人が菅野、広島が遠藤。巨人は3回に松原の適時二塁打で2点先制。 広島は4回に長野の5号3ランで逆転。巨人は5回に岡本の22号2ランでひっくり返し、1点リードで終盤へ。 広島は9回に松山の適時打で同点。巨人はその裏、2死三塁から吉川尚の右前打でサヨナラ勝ち。巨人は3連勝で、広島は3連敗。


スコア詳細


里崎智也氏
里崎智也氏


チーム
広 島
巨 人1X

【広】遠藤、中田、ケムナ、塹江、●フランスア

【巨】菅野、○デラロサ

【本】長野5号3ラン(4回菅野115m)、岡本22号2ラン(5回遠藤120m)


試合後

巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、サヨナラ打を放ち祝福される吉川尚(撮影・河野匠)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、サヨナラ打を放ち祝福される吉川尚(撮影・河野匠)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、サヨナラの右前適時打を放った吉川尚(左から2人目)はナインから水を浴びる(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、サヨナラの右前適時打を放った吉川尚(左から2人目)はナインから水を浴びる(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、サヨナラ打を放った吉川尚(右)は原監督とグータッチを交わす(撮影・河野匠)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、サヨナラ打を放った吉川尚(右)は原監督とグータッチを交わす(撮影・河野匠)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、吉川尚にサヨナラの右前適時打を浴びベンチへ下がるフランスア(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、吉川尚にサヨナラの右前適時打を浴びベンチへ下がるフランスア(撮影・鈴木みどり)

試合経過

<1回>

広島 田中広空三振、菊池涼三ゴロ、坂倉遊飛 巨人菅野12球

巨人 吉川尚見三振、松原見三振、坂本中飛 広島遠藤13球

【里崎智也氏の評論】

巨人の優勝は99・9%決まっていると思っています。巨人が負けても、巨人を追う球団も負けるんですから。となると、ここから巨人が危うい状態になると仮定すると、それは菅野が残り全敗するしか考えられないんですよね。そういう目でこの広島戦を見てます。初回のピッチングと、広島の上位打線を見ると、今日も菅野は調子が良さそうですね。

巨人対広島 先発し力投する巨人菅野(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 先発し力投する巨人菅野(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 力投する広島先発の遠藤(撮影・河野匠)
巨人対広島 力投する広島先発の遠藤(撮影・河野匠)

<2回>

広島 鈴木誠右飛、松山の打席でカウント巡り一時中断、松山遊ゴ、長野右飛、菅野とは初対戦 巨人菅野16球(計28球)

巨人 岡本遊ゴ、丸遊ゴ、ウィーラー遊ゴ 広島遠藤8球(計21球)

【里崎智也氏の評論】

遠藤は立ち上がりから、どんどんストライクを投げ、ストライク先攻のピッチング。強気というのは、インコースに投げることじゃない。ストライクゾーンにどんどん投げるということ。ストライクゾーンに投げると打たれる可能性もあるが、ストライクが先行しなければ、打者有利なカウントになり、さらに打たれる可能性は高くなる。そういう点で、遠藤は後手に回らないピッチング。菅野にも負けずとも劣らない内容。

巨人対広島 2回表広島1死、松山の打席でカウント2-2を3-2と間違える本田球審(撮影・河野匠)
巨人対広島 2回表広島1死、松山の打席でカウント2-2を3-2と間違える本田球審(撮影・河野匠)
巨人対広島 2回表広島1死、松山の打席でカウント2-2を3-2と間違える本田球審(撮影・河野匠)
巨人対広島 2回表広島1死、松山の打席でカウント2-2を3-2と間違える本田球審(撮影・河野匠)

<3回>

広島 堂林遊ゴ、大盛左中2、遠藤中飛、田中広空三振 巨人菅野21球(計49球)

巨人 中島空三振、大城右安、菅野捕邪、吉川尚四球、松原の右2で2点先制!巨2-0広、坂本右飛 広島遠藤27球(計48球)

【里崎智也氏の評論】

遠藤は2回までできていたストライク先攻のピッチングが、一転して3回はボール先行に。大城には2ボールからヒットを許し、菅野送りバント失敗も吉川尚に四球。松原に対してもボール先行となり、坂本に回したくないという気持ちがあったのか、甘めで勝負するしかなくなり、そこを痛打された。ボール先行になった途端の失点は、技術的な問題か、それともメンタルに原因があるのか。

巨人対広島 3回裏巨人2死一、二塁、松原に右2点適時二塁打を浴びる遠藤(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 3回裏巨人2死一、二塁、松原に右2点適時二塁打を浴びる遠藤(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 3回裏巨人2死一、二塁、先制の2点適時二塁打を放つ松原(撮影・河野匠)
巨人対広島 3回裏巨人2死一、二塁、先制の2点適時二塁打を放つ松原(撮影・河野匠)

<4回>

広島 菊池涼左安、坂倉二併、鈴木誠中安、松山左安、鈴木誠は三塁へ。長野の左中間への本塁打で逆転!巨2-3広 堂林二ゴ 巨人菅野20球(計69球)

巨人 岡本捕邪、丸右安、ウィーラー右飛、中島四球、大城四球、菅野空三振 広島遠藤34球(計82球)

【里崎智也氏の評論】

菅野はここまで右打者へは9割方アウトコースへのストレート、スライダー、フォークで、インコースはほぼなかった。その中で長野は2-0からスライダーをファウル。4球続けてのスライダーに、最後は甘めに入ったところを、アウトコースへ踏み込んだ長野の読み勝ちと言えるホームランだった。ただ、その前の松山が、1打席目で追い込まれるまでは1球もストライクゾーンを振れずに、結果ショートゴロ。その消極的な打席を生かし、初球を積極的に打ってつなげたヒットが非常に大きかった。菅野からすれば2アウトからの3失点は非常に痛い。

巨人対広島 4回表広島2死一、三塁、左中間に3点本塁打を放ち生還する長野(右)。手前は山田コーチ、左は捕手大城(撮影・河野匠)
巨人対広島 4回表広島2死一、三塁、左中間に3点本塁打を放ち生還する長野(右)。手前は山田コーチ、左は捕手大城(撮影・河野匠)
巨人対広島 4回表広島2死一、二塁、長野に左越え3点本塁打を浴びる菅野(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 4回表広島2死一、二塁、長野に左越え3点本塁打を浴びる菅野(撮影・鈴木みどり)

<5回>

広島 大盛中飛、遠藤見三振、田中広一ゴ 巨人菅野14球(計83球)

巨人 吉川尚遊ゴ、松原四球、松原盗塁で二塁へ、坂本右飛で松原三塁へ。岡本の左越え本塁打で逆転!巨4-3広 丸左飛 広島遠藤20球(計102球)

【里崎智也氏の評論】

5回の遠藤は再びボール先行。松原への四球と、そして岡本にも2ー0とカウントを悪くしてから逆転2ラン。1、2回はストライク先攻、3回はボールが先行して2失点。そして4回も2四球で2死満塁として菅野を三振に打ち取り何とかしのいだが、5回も同じ展開での2失点。立ち上がりは遠藤のいいところが出て、回を追うごとに悪いところが出てしまった。

巨人対広島 5回裏巨人2死三塁、左越え2点本塁打を放つ岡本(撮影・河野匠)
巨人対広島 5回裏巨人2死三塁、左越え2点本塁打を放つ岡本(撮影・河野匠)
巨人対広島 5回裏巨人2死三塁、左越え2点本塁打を放ちナインに迎えられる岡本(撮影・河野匠)
巨人対広島 5回裏巨人2死三塁、左越え2点本塁打を放ちナインに迎えられる岡本(撮影・河野匠)
巨人対広島 5回裏を終え悔しげな表情でベンチへ戻る広島遠藤(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 5回裏を終え悔しげな表情でベンチへ戻る広島遠藤(撮影・鈴木みどり)

<6回>

広島 菊池涼二ゴ、坂倉空三振、鈴木誠左飛 巨人菅野12球(計95球)

巨人 (広島2番手は中田)ウィーラー右飛、中島左中2、代走立岡、大城空三振、菅野空三振広島中田19球

巨人対広島 6回表広島無死、菅野は菊池涼の二ゴロを好捕した吉川尚に感謝(撮影・山崎安昭)
巨人対広島 6回表広島無死、菅野は菊池涼の二ゴロを好捕した吉川尚に感謝(撮影・山崎安昭)
巨人対広島 6回裏から2番手で登板した広島中田(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 6回裏から2番手で登板した広島中田(撮影・鈴木みどり)

<7回>

広島 松山遊直、長野空三振、堂林中飛 巨人菅野14球(計109球)

巨人 (広島3番手はケムナ)吉川尚左飛、松原中飛、坂本見三振 広島ケムナ12球


<8回>

広島 大盛空三振、代打ピレラ中飛、田中広左安、菊池涼見三振 巨人菅野16球(計125球)

巨人 (広島4番手は塹江)岡本四球、代走増田大、牽制で一、二塁間に挟まれアウト、リクエストも判定覆らず。丸二ゴ、ウィーラー遊ゴ 広島塹江14球

【里崎智也氏の評論】

菅野は4回以外は完璧だった。コントロールミスもなく、いつもの菅野の力を発揮したピッチングと言える。巨人にとっては、エースが抑え、4番が打つという試合展開。菅野も逆転2ランを放った岡本に救われて8回を投げきった。

巨人対広島 8回表広島2死一塁、菊池涼を見逃し三振に仕留め、拳を握りしめる菅野(撮影・河野匠)
巨人対広島 8回表広島2死一塁、菊池涼を見逃し三振に仕留め、拳を握りしめる菅野(撮影・河野匠)
巨人対広島 8回裏巨人無死一塁、けん制に飛び出した増田大は挟殺死となる。手前は一塁手松山(撮影・河野匠)
巨人対広島 8回裏巨人無死一塁、けん制に飛び出した増田大は挟殺死となる。手前は一塁手松山(撮影・河野匠)

<9回>

広島 (巨人はデラロサ投入)坂倉中安、代走曽根、鈴木誠二飛、松山の左安で同点!巨4-4広 代走上本、長野二直、堂林中飛 巨人デラロサ14球

巨人 (広島はフランスア投入)代打石川右安、代走若林、大城捕邪、バント失敗、代打パーラ空三振、牽制悪送球で若林三塁へ、広島沢崎ピッチングコーチがマウンド。吉川尚の右安でサヨナラ!巨5-4広 広島フランスア15球

【里崎智也氏の評論】

(9回表)松山の同点打が光った。この試合で松山に対して巨人バッテリーは4打席あった中で、インコースは第1打席6球目のスライダーの1球のみ。そして松山も菅野を念頭に引っ張るスイングはしていない。その中で1点を追う9回1死一塁、デラロサの初球真ん中のストレートを引っ張らずにセンター方向へ。巨人バッテリーがインコースを見せて来なかったことも伏線としてあるが、松山のアウトコースを意識したスイングが貴重な同点適時打につながった。

(9回裏)広島はフランスアのけん制悪送球で自滅した格好だ。あそこまで一塁走者を警戒する必要があったのか。あれだけクイックのけん制をするなら、打者に対してクイックでしっかり投げるべき。2死一塁だったので、打者でアウトを取れば延長に入れた。必要以上に一塁走者にこだわったところで、2死三塁となり結局、吉川尚にサヨナラ打を許した。よく粘って同点に追いついたが、最後の場面で救援陣の冷静さという課題が見えた9回の詰めの部分だった。

巨人対広島 9回表広島1死一塁、左中間に適時二塁打を放つ松山(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 9回表広島1死一塁、左中間に適時二塁打を放つ松山(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 9回表広島1死一塁、松山の適時二塁打で生還する曽根。捕手大城(撮影・河野匠)
巨人対広島 9回表広島1死一塁、松山の適時二塁打で生還する曽根。捕手大城(撮影・河野匠)
巨人対広島 9回裏巨人2死一塁、フランスアは一塁へのけん制球を暴投。打者吉川尚(撮影・山崎安昭)
巨人対広島 9回裏巨人2死一塁、フランスアは一塁へのけん制球を暴投。打者吉川尚(撮影・山崎安昭)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、サヨナラ打を放った吉川尚はガッツポーズで一塁をまわる(撮影・河野匠)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、サヨナラ打を放った吉川尚はガッツポーズで一塁をまわる(撮影・河野匠)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、吉川尚のサヨナラ打にジャンプしてベンチを飛び出す菅野(右)ら巨人ナイン(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 9回裏巨人2死三塁、吉川尚のサヨナラ打にジャンプしてベンチを飛び出す菅野(右)ら巨人ナイン(撮影・鈴木みどり)

スタメン

【広島】

1(遊)田中広

2(二)菊池涼

3(捕)坂倉

4(右)鈴木誠

5(一)松山

6(左)長野

7(三)堂林

8(中)大盛

9(投)遠藤


【巨人】

1(二)吉川尚

2(右)松原

3(遊)坂本

4(三)岡本

5(中)丸

6(左)ウィーラー

7(一)中島

8(捕)大城

9(投)菅野


試合前

巨人対広島 試合前練習でノックの合間に笑顔を見せる巨人坂本(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 試合前練習でノックの合間に笑顔を見せる巨人坂本(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 試合前練習で広島野間(手前)と話し爆笑する巨人岡本(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 試合前練習で広島野間(手前)と話し爆笑する巨人岡本(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 試合前練習で1軍に合流したウレーニャ(左)とグータッチを交わす巨人原監督(撮影・鈴木みどり)
巨人対広島 試合前練習で1軍に合流したウレーニャ(左)とグータッチを交わす巨人原監督(撮影・鈴木みどり)