2年連続の都市対抗出場を目指すヤマハ(浜松市)は、ホンダ鈴鹿(鈴鹿市)に3-4で敗れ、敗者復活トーナメントへ回ることになった。5番矢幡勇人主将(30)が8回に左越えソロ本塁打を放つなど、4打数3安打で打線をけん引。チームも毎回の10安打を放ったが、11残塁の拙攻で好機を逸した。負ければ予選敗退が決まる次戦は20日、ジェイグループ(名古屋市)と対戦する。

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1点差の9回2死一塁。前の打席で本塁打を放った矢幡が、打席に入った。2打席連発なら逆転サヨナラの場面だったが、遊飛に倒れて敗戦。都市対抗出場へ厳しい船出となった。それでも「これが予選って感じ。攻撃はチャンスを作れていたので、次に向けて切り替えていきたい」と冷静だった。

大会前のオープン戦では不調に苦しんだ。だが、ビデオで自身の打撃フォームを確認し、バットを振るときに顔がブレる課題を発見。以来、練習でバットとボールのインパクトの瞬間を目で捉えられるほど、顔を動かさない意識を徹底した。これでフォームが安定し、打球も強くなった。

コロナ禍で春から大会中止が相次ぎ、この試合が今季最初の公式戦だった。3安打と結果を残し「個人的には、久しぶりに緊張感のある試合で楽しめました」。しかし、主将としてチームをまとめる立場から「若手はガチガチだったので、次の試合までに精神面のケアをしてやりたい」と気遣いも忘れない。

初戦に敗れ後がない状況となったが、焦る様子はない。頼れる主将は「今後も、これまでやってきたことを信じてやるだけです」。冷静にナインをまとめ、晴れ舞台まで駆け上がる。【河合萌彦】