慶大に頼もしい1年生が現れた。3番の広瀬隆太一塁手(慶応)が4-3の7回、2ランを放った。リーグ戦初スタメンだった前日は、初回に初安打となる先制2ラン。2試合連続本塁打で東大戦連勝に貢献した。明大は立大に2試合連続逆転勝ち。ポイントを2・5点とし、首位に立った。

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失いかけていた流れを、一振りで取り戻した。慶大は5回表までに4点先制も、その裏、1点差に詰められた。回ってきた7回無死一塁の好機。広瀬は「どうしても東大の流れになっている。自分の1打で引き寄せられたら」と打席に向かった。カウント2-1から甘く入ったスライダーを強振。相手の左翼手が見上げる高い軌道で放り込んだ。

思い切りのいいスイングで、2試合計5安打4打点。幼稚舎から慶応という生粋の慶応ボーイは大学進学後、下半身強化に取り組み5キロ増量した。土台が安定し「打撃が良くなりました」。オープン戦で打ちまくり、目標とする高校の2学年先輩、正木とクリーンアップを組むまでになった。堀井哲也監督(58)は「『右に打て』と言ったのに思い切り引っ張ってましたね」と、うれしそうに明かした。新戦力が台頭し、昨秋来の頂点を目指す。

▽慶大・渡部淳一投手(3番手で2回無安打無失点。リーグ戦初登板初勝利)「緊張しましたが、緊張は力にもなる。プラスに捉え、できることをやろうと思いました」

▽東大・井手峻監督(慶大・広瀬の大暴れに)「2試合とも広瀬君にやられました。まっすぐを右に持っていける。甘い変化球も。理想とするバッティングですよ。ウチの選手にやれ、と言ってるんですが」