静かに、運命の瞬間を待つ。ロッテ、ヤクルトが1位指名を公表した早大の155キロ左腕、早川隆久投手(4年=木更津総合)が、プロ野球ドラフト会議を翌日に控えた心境を語った。特別なことは考えず、自身初の優勝がかかる2週間後の早慶戦へ準備を進めるとした。

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ロッテか、ヤクルトか、はたまた他の球団か。立大戦を終えた早川は「明日に向け特に考えることはないので、次の早慶戦へ体のケアをして、ドラフトを迎えられればと思います」と落ち着いて話した。立大2回戦は1-1の引き分け。首位慶大も法大に引き分けたため、ポイント0・5点差は変わらなかった。優勝の条件は、2週間後の最終週、早慶戦で1勝1分けか2連勝すること。1敗も許されない。

立大戦前も「自分では、どうしようもないので。ドラフトよりは、リーグ戦の優勝しか見てないです」と話していた。ただ「立教に勝ってドラフトを迎えるのと、優勝の望みが消えた状態で迎えるのとは全然、違う」とも明かしていた。1回戦は146球完封勝利。2連勝とはいかなかったが、自らの左腕で自身初優勝へ望みをつなぎ、運命の瞬間を迎えることになった。

この日は出番はなかったが、主将としてベンチワークに徹した。同点の7回2死二、三塁で、1年生の遊撃・熊田が左前へ抜けそうなライナーを好捕。早川はベンチで喜びを爆発させた。「勝ちきりたかった。1年生に助けてもらって。4年生が、あと1本、出なかった悔しさがあります」。だからこそ、早慶戦は「集大成です」と全てをかける。【古川真弥】

▽早大・小宮山悟監督(優勝がかかる早慶戦へ向け) 今年は早慶6連戦から60年。因縁めいたものを感じます。早川には(早慶6連戦で投げた)安藤さんのような活躍ぶりで何とか天皇杯を手にさせ、プロに送り出したい。

▽早大・今西拓弥投手(プロ志望届を提出した2メートル左腕) 正直、やることをやり切ってドラフトを迎えられたという感じではないのですが、可能性が1%でもあるのなら、信じて待ちたいと思います。

▽立大・溝口智成監督(ソロ本塁打の1点だけで引き分け) よく負けなかったという感じですね。1~3番の出塁が失策の1つしかない。追い詰めた感じはないです。

▽慶大・瀬戸西純主将(早慶戦へ向け) 早川投手中心の早稲田とできる。チーム全体でどうやって打ち崩すか、考えたい。