ロッテが美馬学投手(34)の好投で、逆転勝ちを収めた。チームはこれで4年ぶりのAクラスが確定し、ソフトバンク戦の勝ち越しも決めた。

試合前の円陣で、井口監督が久しぶりに長い時間話した。「勝負ごとはどっちに転ぶか分からないので、だったら攻めて攻めて、神様を味方にするくらい攻めていこう。美馬に何とか10勝を」と呼びかけた。

打線の援護に支えられ、その美馬が自身2度目となる2ケタ勝利に届いた。大きな期待を受けて楽天からFAで加入し、10勝4敗。規定投球回数もこの日でクリアが決まった。「ほぼほぼ(野手に)勝たせてもらっているので、最後くらいはと」と、自身のミスで先制された後も粘った。

7月下旬からずっと4点台だった防御率は、一時期は5・71まで悪化した。好投を続け、この日の7回を投げ終えた時点で、3・97まで下げた。そこで降板せず、8回も2つのアウトを奪い、強力リリーフ陣にバトンをつないだ。

「しっかり1年間、ローテーションを守って貯金を作り、日本一になって井口監督を胴上げできるように頑張りたい」。

移籍1年目は19試合に先発し10勝4敗、防御率3・95。入団会見での決意を、半分はクリアした。残り半分への挑戦権を、仲間に託す。【金子真仁】