プロ5年目を迎えるソフトバンク田中正義投手(26)が充実の心境を明かした。17日、福岡・筑後のファーム施設で「早く練習したい。自然と練習したくなってくる、いいサイクルに入っている」。プロ入りから目指してきた投球フォームに手応えを感じており「期待していいんじゃないかなと思います」とブレークを予感させた。

キャッチボールを繰り返す田中は「マサカリ投法」のように、右肩が少し下がるフォームから、威力のあるボールを投げ込んだ。つかみつつある投球フォームについて「体の中心をしっかり使って投げるイメージ。プロに入ってからずっとチャレンジしている。四肢じゃなくて、中心のうねりで投げる」と解説した。

突然の変化ではなく、積み重ねてきたものの現れだという。「なんて言うんですかね、コップの水がようやくあふれ出してきているかなというイメージです。サッカーで『ゴールはケチャップだ』と言うじゃないですか。出ないと思っていたものが急にドバドバ出るみたいな」。プロ入りから目指してきた形が、実を結び始めた。今は投げるたびに上達する感覚を得ている日々のようだ。

昨年はキャンプ中に右肘を痛め、1軍登板できなかった。ただ、10月末に2軍戦に復帰し、11月には自己最速の156キロをマーク。フェニックスリーグにも参加し前向きに今季に向かっていた。現在はリハビリ組の管轄で練習中だが、すでに16日には今季初のブルペン入り。春季キャンプではリハビリを抜け、本隊に合流できる見込みだ。「いろんな人にサポートしてもらっている。元気で1軍で投げている姿を見てもらいたい」。16年ドラフトで5球団が1位競合した逸材は、ついに開花の時を迎えようとしている。【山本大地】