全日本野球協会(BFJ)は23日、野球指導者講習会を開催した。例年、都内の施設で行っているが、今回はコロナのためオンラインで実施。初日のこの日は、スポーツマンシップやバイオメカニクスなどの3講義に続き、選手育成をテーマにパネルディスカッションが開かれた。

パネリストは、ロッテ吉井理人投手コーチ、早大・小宮山悟監督、前橋育英・荒井直樹監督、市川シニア・宇野誠一監督の4人で、各年代の指導者がそろった。「走り込み、投げ込みなどの練習は、なぜ、どう行うのか」「指導環境の何が問題か」「指導者は『一球入魂』を、どう教えるべきか」「球数制限」などについて、それぞれの意見を披露した。

受講者からの質問時間も設けられた。最初に質問したのは、お笑いコンビ、トータルテンボスの藤田憲右。突然の登場にパネリストたちも驚いた様子だったが、藤田は息子が野球をやっており、受講したようだ。質問は「地方だと正しい知識を得た指導者がいない場合もあり、それでも、そういうチームに入らざるを得ない。その結果、野球をやめざるを得なくなる子どももいる。指導者の指導が必要になると思うが、どう対処すればいいか」というもの。

これには、進行役を務めた平野裕一BFJ理事が「まさに指導者の質の問題。そのために、こういう講習会を開いている。現状では、それを広げていくしかないのでは。野球を好きになる指導をしていくしかない」と回答した。