立正大は、主将の一振りが大勢を決めた。3-0の5回無死満塁で、桂川弘貴内野手(4年=桐光学園)が初球真っすぐを左越えに放り込んだ。高校以来の満塁本塁打で、自身リーグ戦1号を飾った。「自分が打ったらチームが勢いに乗ると思って、恐れずに打席に入りました」と積極的な打撃が生きた。

主将としての責任感があった。「昨日、みんなに厳しいことを言ったので。本当にやらなきゃいけなかった。結果で引っ張るということを再認識できました」と打ち明けた。前日は終盤に失点を重ね、7-8のサヨナラ負け。開幕から1勝6敗という苦戦に、試合後の会見では「何か足りない」と話していた。

チームメートにも厳しさを求めた。「自滅みたいな野球。気持ちの面で最後、勝てなかった」とバッテリーに対し、率直に思いを伝えた。この日の試合前には「全員、けんか腰ぐらいの気持ちでいこう!」と呼び掛けた。すると初回、自ら先制打を放った。さらに、5回の満塁本塁打。言葉でも、プレーでも、引っ張った。

これで今季2勝目。勝利数で順位を争うため、単独最下位を脱し、駒大と並んだ。坂田精二郎監督(46)は「キャプテンが背負ってくれている。自分の言うことは聞かないけど、キャプテンの言うことは、みんな聞くので」とジョークを交え、ねぎらった。さらに「これからの戦いに、立正大はかかっている。期待したい」と巻き返しを誓った。