アマチュア野球界で見せるジェンダーレスの動きとは。前週3日に続いて特集する「広がる女性活躍」の最終第2回は、市船橋(千葉)を支える女子マネジャー13人の奮闘や、立大で初の女性主務を務めた今の活躍、徳島県高野連初の女性会長の思いを紹介する。

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満員のスタンドが沸き上がるオールスターや日本シリーズ。プロ野球最高峰の舞台を、グラウンドの外から支える1人の女性がいる。立大野球部史上初の女性主務を経て、日本野球機構(NPB)入りした大河原すみれさん(26)だ。「ファンの方が笑顔になったり、歓声を上げたりする姿を見ると、こうやって人を熱くするプロ野球に携われているのが本当に楽しいなと思います」と話した。

現在はNPB事業部に所属。オールスターや日本シリーズでは運営本部側として、ファン投票の仕組みづくりや球場演出を支える。華やかな舞台の裏側で、選手、球団、マスコミ、ファン、それぞれの立場をつなぐ役割を担っている。

さらに今年2月には、侍ジャパンの宮崎合宿と名古屋遠征に広報として同行した。「若いうちからトップレベルの環境を経験させてもらえるのは刺激になります。チーム側の人と関わることで、『こういうタイミングならお願いしやすいんだな』とか、それぞれの立場の見え方を知ることができました」と話した。

立大時代から、常に「前例」と向き合ってきた。神奈川で高校野球の指導者を務める父の影響で、生後3カ月から野球場に連れていかれた。小学校から高校まで女子校だったが、「大学では野球部のマネジャーになりたい」という思いを貫き、立大野球部へ飛び込んだ。コロナ禍では、先頭に立って感染対策に奔走した。「寮に入ったことで、朝6時半から夜9時半まで男性マネジャーと同じ業務をこなしました。年間の休みは年末年始の5日間くらいでした」。その働きぶりが認められ、立大史上初の女性主務に抜てき。100人超の部員を束ねるチーム運営の中心に立った。

ただ、大河原さん自身は「女性だから」という言葉に、どこか違和感も抱いている。「もちろんロッカールームに入れないとか、できないことはあります。でも、できることは個人の能力で広げていけると思うんです」。野球界が男性中心である現実は否定しない。それでも、「男性だから」「女性だから」ではなく、一人のメンバーとして評価される組織は増えてきていると感じている。後輩たちへの思いも強い。「ここからは、それを当たり前にしていかなきゃいけない。『女性はダメだった』と思われないように、1人1人が責任を持って頑張っていけたらいいなと思います」と自覚十分に話した。

原点には、母の存在もある。「母は『女性だからは関係ない。もっと頑張りなさい』というタイプ」と言う。母親もかつて男性社員との待遇差に悔しさを味わった経験があったという。その思いを受け継ぐように、プロ野球の最前線で新たな道を切り開いている。【鳥谷越直子】

 

◆大河原すみれ(おおがわら・すみれ) 00年4月25日、横浜市生まれ。小学校から高校まで湘南白百合。立大卒。家族は父、母、妹。趣味はエレクトーン。