中日1位小笠原初回ボロボロもイニング間新スラ発明

シート打撃で実戦初登板し、高橋を見逃し三振に仕留める小笠原(撮影・今中雄樹)

 新型スライダーひらめいた! 中日ドラフト1位小笠原慎之介投手(18=東海大相模)が25日、沖縄・北谷球場で初めてシート打撃に登板。打者10人に対して37球を投じ2安打1三振2四球3失点だったが、キャッチボール中に新たな握りのスライダーを考えつき、2イニング目で採用。驚きの発想と器用さ。やはりタダモノではない。

 プロ初の実戦形式マウンドで、18歳が新球を「発明」した。小笠原が振り返る。「スライダーの握りを変えて、縫い目に沿うかたちにした」。これがブルペンでの投球中なら分かる。だが、実戦形式のシート打撃でのイニング間というから驚きだ。

 洗礼を受けた直後だった。「1イニング目から危機感ですよ。(堂上)直倫さんに真っすぐを打たれて、プロってすごいなと思いました」。井領に四球、堂上に中前打、高橋に四球… 1死までなかなかたどり着かない。走者を仮定した形でのマウンドだが、無死満塁のピンチ。ズルズルと赤坂に左翼線への3点二塁打を浴びた。

 ひらめいたのは、何とか3アウトを取り、1イニング目のマウンドを降りた後だ。次に向け、ドラフト3位木下拓哉捕手(24=トヨタ自動車)とキャッチボール。1イニング目に投げた従来のスライダーの曲がりの大きさに納得いかず、わずかな時間で握りを変えて2イニング目に臨む決断を下した。

 先頭打者・高橋への2球目にいきなり試した。「(高橋)周平さんへの(新)スライダーが一番良かった」。この日は計3球だったが、新型スライダーが武器となる手応えは十分。これまでスライダーとしていた球種をカーブと呼称し、新スライダーを持ち球に加えた。

 イニング間のキャッチボール中に新球が生まれたと聞いた谷繁監督も感心するばかりだ。「へえ、そうなんですか。器用な部分もあるんだと思う」。指揮官が認めたように、器用さが背景にあるのは間違いない。23日にブルペンで突然投げ始めたツーシームも織り交ぜ、新球種では1本も安打を許さなかった。

 谷繁監督は「今週末、練習試合があるので、うまくいけば1イニングを投げるんじゃないか」。27日DeNA戦(北谷)か28日の韓国・LG戦(同)での試合初登板もはっきりと見えてきた。最速151キロの直球だけではない黄金ルーキー左腕のデビューが、近づいてきた。【宮崎えり子】

<小笠原の従来の持ち球>

 ◆直球 最速は優勝した昨夏の甲子園で記録した151キロ。プロでは9日のブルペンの146キロ。

 ◆チェンジアップ 変化球では一番の得意球。直球と同じように腕を強く振るが、球速は120キロ台。ややシュートしながら沈む。

 ◆カーブ キャッチボールやブルペン投球で交ぜることもあるが、手首を返して抜くカーブは「苦手」で現段階では精度が低い。今後は従来のスライダーをカーブにするため封印され、投げる割合は低いとみられる。

 ◆ツーシーム 高校時代はシュート回転していたため完全には操れなかった。プロでは少し指を開いて球をはさむ形に変更。スプリットとほぼ同じ投げ方で、チェンジアップに近い軌道で沈む。制球もよく新たな決め球になる可能性も。

 ◆スライダー 高校時代からの持ち球。プロではこの日のブルペンで初めて解禁。やや緩めのため「これをカーブにします」。