阪神2軍開幕戦完敗も 掛布フィーバー満員御礼

ウエスタン開幕戦で中日小笠原2軍監督(左)とメンバー表交換を行う掛布2軍監督

<ウエスタン・リーグ:阪神2-9中日>◇15日◇鳴尾浜

 満員御礼の船出だ。阪神掛布雅之2軍監督(60)が15日、ウエスタン・リーグ開幕戦の中日戦(鳴尾浜)に臨み、2-9と敗れた。初陣を白星で飾れなかったが、球場には掛布阪神を応援しようと平日にもかかわらずファンが詰め掛け満員札止め。異例の盛り上がりに掛布2軍監督は選手が成長する糧になると歓迎した。

 試合開始から50分も前の午前11時43分。平日にもかかわらず、500人収容の鳴尾浜が満員札止めとなった。掛布2軍監督が背番号31のユニホーム姿でグラウンドに現れると、ここは甲子園かと錯覚するほどの大声援が球場を包みこんだ。

 「ファンの方やマスコミがこれだけ来てくれたことで、非常にグラウンドにいい緊張感(があった)。選手1人1人が野球をやる怖さというものを感じてくれた。この1試合というのは選手にとっていい経験になったと思います」

 入場を願うファン約200人が、試合開始から終了間際まで球場外に列をなした。警備員は通常の3人から4人に増やして対応。警備員の1人が「試合でこんなに人が来るのは初めて」と目を丸くするほどの熱狂ぶりだった。

 大注目の初陣は、中日相手に2-9と大敗。13残塁とチャンスで1本が出ない若虎の姿に、球場に大きなため息が広がったが、掛布2軍監督は「ファンの方の目が選手を育てると思う。選手に厳しい目で見てほしい」と歓迎した。

 「勝ってスタートするに越したことはないんだけど、負けのスタートというのも2月からやってきた野球を考えると非常に良かったのかなと。負けはしましたけど気持ち的にはスッキリしているんです」

 試合終了後には「監督、ありがとう」の声に「ごめんなさいね」と小さくあいさつした。記念すべき公式戦初戦、白星スタートこそならなかったが、鳴尾浜に起きた超変革の波。掛布2軍阪神はフィーバーの中で第1歩を踏み出した。【梶本長之】

 ◆鳴尾浜の満員札止め 10年9月25日、矢野の引退セレモニーで515人のファンが集まり、試合前に入場制限がかかった。11年9月23日には下柳の阪神ラスト登板で約1300人が詰め掛け、午前10時45分に入場制限がかけられた。12年9月29日は城島の引退試合で1717人が来場。開門前には数十人が列をつくり、警備員も3人から7人に増員された。昨季のウエスタン・リーグでは平日に1度満員になっている。