<オープン戦:ヤクルト1-1阪神>◇17日◇神宮
阪神ドラフト1位の高山俊外野手(22=明大)が1回にヤクルトのエース小川から左翼越え二塁打を放った。「1番左翼」で先発し、初球の外角直球を迷わずたたく。大飛球は瞬く間に左翼鵜久森を越えた。
これまでライン際や右中間こそあったが、オープン戦で野手正面の頭を越える打球はチームでも初めて。金本監督も「オープン戦初の頭越え」と声をはずませた。プレーボール直前の円陣。指揮官は頭を越すジェスチャーで「今日は長打いこか! オープン戦に入ってホームランもゼロやし、誰か越えてくれよ!」とハッパを掛けていた。65年以降、オープン戦本塁打ゼロの球団はないという。この日もフェンスを越えることはなかったが「景気づけに」と話したアクションに応えて先制点を導いた。
高山は前日16日にプロ初の猛打賞。この日も開幕投手の小川に先制パンチを浴びせた。スタメンなら9試合連続安打だ。「向こうは開幕に合わせていますし、参考にならない。経験として球を見られたことは良かった」。東京6大学の最多安打記録を塗り替えるなど明大で4年間、汗を流した神宮で躍動。「初めてのところとは違う。ある程度は頭に入っていた」。左翼守備でランニングキャッチを披露し、生き生きした。
たった1度だけ、わずかに驚いた表情を浮かべた。帰り際の三塁側ファウルゾーンで虎党の歓声を背に受けると、見渡して「違いますね」と言う。神宮は、大学野球にはない顔を背番号9に見せていた。開幕スタメンは決定的。プロとしての重みを受け止めたに違いない。【酒井俊作】