日本ハム大谷、人類初20勝-20発へ仕上がった

2回裏日本ハム無死、左越え本塁打を放つ大谷(撮影・黒川智章)

<オープン戦:日本ハム5-2ヤクルト>◇20日◇札幌ドーム

 前人未到の20勝&20発へ、日本ハム大谷翔平投手(21)が、野手としての開幕前総仕上げを“1発”で締めた。ヤクルト戦(札幌ドーム)の2回に、左翼ポール際に決勝打となる先制のオープン戦1号本塁打を放った。指名打者で出場の実戦14試合目で初アーチをかけ、「二刀流」4年目の調整は完了。今日21日からは、2年連続の開幕投手を務める25日ロッテ戦(QVCマリン)に向け、投手モードで「その時」を待つ。

 魅惑の打球は、スタンドへと吸い込まれた。「野手・大谷」のポテンシャルが詰まった“今季1号”が飛び出したのは、2回先頭の第1打席。ドラフト1位右腕原樹が投じた外角低めへのシュートを、フルスイングした。左翼ポール際に向かう打球の勢いは、衰えることはない。「しっかり強く振ることを意識した」。逆方向狙いではない。類いまれなパワー、スイングスピードが、ボールを軽々と運んだ。

 確かな手応えとなった。米アリゾナキャンプから好調だった打撃は、緩やかに調子が落ちていた。タイミングの取り方などを試行錯誤。この日の試合前には、軸足の左足を打つ瞬間に上げてティー打撃も敢行した。「(狙いは)いろいろ、あります。しっかりとらえながら、逆方向に打てればいい」。11勝&10本塁打の14年は、左方向へ5発。元来、ジャストミートすれば、方向は関係なく、柵越えさせるパワー、技術がある。結果を伴ったことで、状態は上向きであると実感できた。

 周囲の期待は増す。1月中旬。自主トレ中の千葉・鎌ケ谷を、日本人初のメジャーリーガーとなった村上雅則氏(71)が訪れた。球団OBでもある村上氏は、メジャー歴代1位762本塁打を放ったバリー・ボンズ氏(51=現マーリンズ打撃コーチ)の直筆サイン入り革手袋をプレゼントした。昨季低迷した野手としての飛躍を願い、譲ることにしたという。「試合では使いませんが、大事にさせていただきます」。受け取った大谷に、また1つ、発奮材料が加わった。

 野手としての調整を終え、今日21日からは投手としての仕上げにかかる。「あとは(25日)開幕を、しっかり頑張りたい」。今季チームスローガンのように「爆(は)ぜる」準備は完了した。栗山監督は「あらためて難しさはあるけど、本人はすごく頑張っている」と評価した上で「二刀流は勝つためにやっている。予定通りに来ている」と期待を込めた。メジャーでもいない「20勝&20本塁打」へ、大谷の4年目が間もなく幕を開ける。【木下大輔】

 ◆大谷と本塁打 プロ1号は13年7月10日楽天戦(Kスタ宮城)で、永井の内角直球を右翼席中段に運んだ。13年の3本は右翼に2本、中堅に1本。10本塁打の14年は左翼5本と逆方向が増えた。15年は5本にとどまり、右翼と中堅に2本ずつ、左翼は1本。