阪神高山、卒業式出ず開幕戦集中「こっちで頑張る」

ティー打撃の合間に明るい表情を見せる高山(撮影・加藤哉)

 1人卒業式から出陣だ。開幕1軍入りを果たした阪神ドラフト1位高山俊外野手(22=明大)が、1番左翼で先発出場する25日開幕戦に決意を新たにした。26日に東京・日本武道館で行われる明大の卒業式は欠席。一足早く、社会人として世界に飛び出す。

 シーズン開幕の球場で全体練習に臨み、高山は高ぶる気持ちを抑えながら、言葉を紡いだ。オープン戦では新人離れした活躍を続け、自らのバットで勝ち取った開幕スタメン1番の座。そのために犠牲にしたものもあったが、「プロの世界で結果を出す」ただその一点のみに集中していた。

 「いや、出られないですね。残念ではあるんですけど。でもまあ、こっちはこっちで頑張るだけなんで」

 くしくも開幕戦の翌日26日に行われる大学の卒業式。レギュラーとなった今、参加することはとうてい不可能だ。いい意味での“自業自得”。開幕戦当日の25日には明大のスポーツ表彰式も行われ、2年連続の優秀賞を受賞する。当然、こちらの晴れの式も欠席。東京6大学リーグ最多安打記録を48年ぶりに更新するなど、高山を語る上で大学生活4年間は外せないが、新人開幕スタメンという生涯1度の栄光には変えられない。開幕戦の舞台は卒業式が行われる武道館の約3倍の収容人数を誇る京セラドーム大阪。阪神ファンを見届け人として盛大な「1人卒業式」に臨む格好だ。

 明大の関係者も「出席されないのは大変残念」と話すが、姿はなくとも阪神高山の存在は卒業生の胸に刻まれる。学生新聞を製作する明大スポーツによると、卒業式の日に高山を特集するページもある新聞が発行される。通常は5000部のところを6000部に増刷し配布。場所は違えども、仲間と同時に社会に羽ばたく節目になるのだ。

 「(卒業式に)こういう形で出られないというのは、いいことだとも思うんで。頑張りたいですね」

 決意を新たにした全体練習では、フリー打撃などで調整した。中日の開幕投手大野は高山と横田の新1、2番コンビを警戒しながら「初球はストレートを投げます」と公言した。金本監督は「じゃあ、打てばいいやん。狙わないと。教えてくれたんだから。真っすぐ行きますなら、打ちにいかんと」と初球打ちを指令した。高山も「(監督が)そういうふうに言ってもらってるなら、そういう気持ちでいきたいですね」と闘志が湧いた。六甲おろしが「仰げば尊し」。開幕戦という名の「1人卒業式」から高山の闘いが始まる。【梶本長之】