オリックス・ボグセビック打って走って驚異の助っ人

3回表オリックス2死一、二塁、中島の中前打で一塁走者のボルセビックが生還

<日本ハム4-5オリックス>◇30日◇札幌ドーム

 打って、走って、驚異の助っ人や! オリックスのブライアン・ボグセビック外野手(32)が躍動し、チームの連敗阻止に導いた。1回は2死一、三塁で先制2点二塁打を放った。…と、ここまではよくある話。特筆すべき場面は、1点差に迫られた3回に訪れた。

 2死一塁から中前打。次打者・中島の左中間寄りの中前打で激走が始まった。二塁を回り、三塁を回っても止まらない。日本ハムの中継プレーが少しもたつく間に、一気にホームイン。福良監督も絶賛の嵐だ。

 「スキを突いた。あの1点は大きい。三塁コーチのファインプレーだし、ボギー(ボグセビック)も足を緩めなかったね」。指揮官が掲げるのは「相手のスキを突き、スキのない野球」。それを体現してみせた。「ハムのバース」を4回途中KOに追い込み、最終的には1点差の勝利。実に意味のある好走塁だった。

 メジャーで24盗塁、マイナーでは123盗塁を記録した。191センチの長身ながら俊足を兼備。宮崎キャンプ中の20メートル走では、1軍野手で最速タイムをたたき出した。超人こと糸井が「俺より速いよ」と太鼓判を押す走力は、今後もチームの武器となりそうだ。

 来日初のマルチ安打。計7打点は日本ハム大谷、田中賢と並びリーグ打点王に浮上した。それでもボグセビックは涼しい顔。「2死だから止められるまで全力で走るだけだよ。打撃もいい形になってきている」。4番モレルは5試合連続安打で打率4割以上をキープ。新顔の野手2人が打線にエネルギーを与え、明日4月1日に待望の本拠地開幕戦を迎える。【大池和幸】

 ◆ブライアン・ボグセビック 1984年2月18日、米イリノイ州生まれ。デ・ラ・サル高からテュレーン大を経て05年ドラフト1巡目でアストロズに投手として入団。08年に野手転向。10年にアストロズでメジャーデビュー。メジャー通算321試合、19本塁打、67打点、打率2割3分8厘、24盗塁。左投げ左打ち。