“静”の巨人高橋由伸監督(41)が、“動”の阪神金本知憲監督(48)と「伝統の一戦」の新時代を切り開く。今日5日から首位巨人は本拠地東京ドームで2位阪神との首位攻防3連戦を迎える。ともに新監督同士の初対決になるが、高橋監督は「特別な意識はない」と平静を貫き、目前の相手からの勝利に集中する。
静かなるドンだった。広島との激闘3連戦を終え、ライバル阪神との首位攻防戦を控える。だが高橋監督の心中は変わらなかった。
高橋監督 そんなに特別な意識はない。甲子園の雰囲気とかは確かに違う。でも十何年もやっているから、特別なものはないよ。
数字が平静の心理を物語る。現役時代の18年間は通算234勝207敗13分けと勝ち越し、08年以降はシーズン単位で負け越していない。阪神戦は通算打率2割9分2厘、50本塁打、185打点と生涯成績から割り出しても、平らな数字が並ぶ。データに特別な感情はにじみでない。
開幕日に「負けていい試合なんか1試合もない」と訓示した。相手がどこでも勝利あるのみ。試合後に采配を聞かれても「ゲームプランがある。それはいいでしょう」と多くを語らない。DeNAの今永と対戦後も「それなりにイメージはあるけど教える必要はないでしょう」と話すにとどめた。雄弁な金本監督とは対照的に、今後の戦いも見越し、勝敗に影響を及ぼす可能性のある情報を内に秘める。
采配には勝利への執着が垣間見える。攻撃では犠打を多用せず、選手の力に委ねるケースもある一方で、エース菅野ら先発陣は開幕から中5日でフル稼働している。金本監督も守護神マテオの3イニング起用に踏み切る試合もあった。「静」と「動」でスタイルは違うが、共通する執念がある。
「いつも言うようにこの続きをするわけではない」と1戦を区切る。伝統の一戦でも変わらない。高橋監督は日々の戦いとして阪神戦に臨む。【広重竜太郎】