<楽天7-9日本ハム>◇9日◇コボスタ宮城
日本ハムが一丸となって連敗を3で止めた。序盤のリードを守れず追いかける試合展開も、打線が大技小技を織り交ぜて対抗。15安打のうち2本塁打以外は単打と、つないで勝ちをもぎ取った。今季初スタメンの杉谷拳士内野手(25)が球団記録に並ぶ1試合3犠打を決めるなど、役割を全う。9回は中田翔内野手(27)の2号ソロで乱戦に終止符を打ち、楽天を振り切った。
揺れていた勝利の女神の心を、主砲が最後に振り向かせた。中田が荒れた試合にケリをつけた。9回1死。金無英の直球を楽天ファンが陣取る左翼席へ。6試合、27打席ぶりの2号ソロ。4番はクールにダイヤモンドを1周した。心に期するものがあった。「情けない結果しか、残せていなかった」。試合前まで打率1割7分9厘。パ・リーグ規定打席到達者で最下位44位に甘んじていた悔しさを、ぶつけた。
連敗ストップへ、栗山監督は必死に策を仕掛けた。犠打のサインは7度。着実に走者を得点圏に送った。相手バッテリーを揺さぶり続けると、7-7の8回1死三塁で中島が見せたスクイズの構えにリズが動揺。暴投で決勝点が舞い込んだ。「必死に1つ取りにいくしかない状況」と、序盤から指揮官がかけ続けたプレッシャーが実を結んだ。
1試合でチーム5犠打は2年ぶり。2番で今季初スタメンの杉谷は球団タイ記録の1試合3犠打をマークした。「求められていたのは流れを変えるということ。バントで、そういう意味では出来たのかな」と、打線の潤滑油として躍動。長打は2回のレアードの4号ソロと中田の本塁打のみ。13安打が単打という中、つなぐ意識をチーム一の元気印が体現した。8回にスクイズを失敗するミスはあったが、乱打戦を制するスパイスとなった。
投手陣が苦しみながら、打線の奮起で嫌な流れを食い止めた。胸元に「野球やろうぜ」とプリントされたアンダーシャツを着て試合に臨んだ栗山監督は「勝ち負けじゃなく、最後までみんなが食らいつく試合をしなきゃならないんだ」と、熱く訴えた。求める内容とは違っても、気持ちを1つに連敗を3でストップ。「いろんなミスもあるし…やっぱり勝たないと素直に認められない」。借金はまだ2あるが、待望の白星が、苦境を脱する良薬となるはずだ。【木下大輔】