<阪神2-6広島>◇9日◇甲子園
また打った! 阪神江越大賀外野手(23)が、出場4試合連続でアーチをかけた。8日に続き2番中堅でスタメン出場。4回、広島黒田から先制4号2ランをバックスクリーンに運んだ。たった13打席で、セ・リーグ本塁打争いトップタイに浮上。守備でも9回のピンチに背走ダイビングキャッチを披露した。逆転負けの悔しさの中に、明日への希望が光った。
若虎の勢いは、黒田をものみ込んだ。4試合連続アーチはバックスクリーンへ。ダイヤモンドを1周する江越は、大歓声を独り占めした。
「昨日から金本監督に『打順は2番だけど、2番らしい役目は考えてないから。とにかく思い切っていってくれ』という言葉をもらっていたんで。思い切っていくことができました」。昨年4敗した天敵黒田のカットボール。0-0の無死一塁でも、バントはない。指示通り初球から迷いなく振り切った。
守備でも魅せた。同点の9回2死二塁、会沢の大飛球が前進守備の頭上を襲った。勝ち越された-。そう思った瞬間、背走で打球を追った江越がダイビングキャッチ。2日前までベンチ要員だった男が攻守で虎党を熱狂させた。
目標にする選手がいる。「めっちゃかっこいいです。全部すごいじゃないですか。ああいう選手になりたいです。憧れの選手ですね」。目を輝かせながら江越が名前を挙げたのは巨人長野だ。走攻守全てを高水準で兼ね備えた球界を代表するスター。同じ右打ち外野手として、江越の理想像なのだという。
昨年4月初旬の巨人3連戦。江越は関川前打撃コーチの仲介で、長野にあいさつする機会があった。緊張の面持ちで一礼すると、笑顔で話しかけてくれたという。そして長野は、使用している黒塗りのバット1本をプレゼントしてくれた。直後の7日、甲子園でのDeNA戦。代打でプロ初安打。「長野さんのバットで打ったんです」。憧れの選手とともに歩き出したプロの世界。「今は寮に飾ってあります」。宝物のバットが励みになっている。
試合前、3戦連発中にもかかわらず、金本監督に直接ベンチ裏へ呼び出され打撃指導を受けた。そして見事に本塁打。打った後にこう言われたという。「少しマシになったな」。期待の若虎から、チームの主軸へ。背番号25は成長を続けている。【梶本長之】