阪神安藤満塁斬り、金本監督炎の継投で首位再奪取

7回表DeNA2死満塁、安藤は井手を一塁ゴロに仕留めガッツポーズ(撮影・宮崎幸一)

<阪神4-3DeNA>◇12日◇甲子園

 つないで、しのいで、逃げ切り勝ち! 金本阪神が7回1死一、二塁、藤浪から継投策に出て5人のリレーでDeNAの反撃をかわして1点差を死守した。圧巻は7回2死満塁を封じた15年目安藤優也投手(38)だ。井手のバットを真っ二つに折る気迫の1球にガッツポーズ。チームは連敗を2で止め、巨人、広島と同率首位に再浮上した。

 プレーボール直後から一塁側ブルペンもピンと張り詰める。安藤はモニターをじっくりと見ていた。1回の2死後だ。3番井手が痛烈なゴロを中前にはじき返していた。肩を作りつつ、戦況をチェック。3回だ。井手は中飛に倒れたが、ライナー性の打球だった。準備を整える。相手の状態をきっちりインプットした。

 7回、先発藤浪がつかまった。代打下園に右前適時打を許して、1点差に迫られる。なおも一、二塁のピンチだ。絶対的エースが窮地に立たされ、首脳陣は決断した。継投へ。荒波に左腕の高宮をぶつける。香田投手コーチは「(藤浪の代え時は)難しかったのは難しかった。120球が目安だと考えていた。高宮もそう。安藤もそう。自分の仕事をまっとうしてくれて、ありがたい」と言う。2死までこぎつけた高宮が石川に打たれて満塁のピンチを招くと、ベンチは動いた。

 綱渡りだった。2死満塁で、金本監督が指名したのは安藤だった。38歳右腕には、井手の状態が頭に入っていた。「モニターを見ていて、いい感じで振っていた。コントロールを間違えないように」。初球は外角高め直球でストライク。2球目は高めのつり球で空振りを奪う。遠いところに投げて打ち気を誘う、老練な投球だった。最後はスライダーを外角低めへ。バットをへし折る一ゴロで、絶体絶命のピンチを脱した。たった3球に経験が表れた。

 安藤は言う。「晋太郎が頑張っていた。晋太郎の勝ちを何とか消さないようにね」。かつては3年連続開幕投手を務めるなど、先発の柱で奮闘。藤浪の気持ちは痛いほど分かる。今季はプロ15年目。近年はシーズン中も都内など、遠征先でも治療に通い、体のケアに細心の注意を払ってきた。2月はじっくり仕上げられるキャンプの安芸2軍スタートを志願したが、オープン戦で調子が上がらず、開幕を2軍で迎える屈辱を味わった。それでも「必ずチャンスが来ると思って、気をしっかり持って練習に励んでいた」と前を向いた。

 8回以降は高橋、福原、マテオのリレーで1点差を逃げ切った。2連敗で止めて首位タイに浮上。金本監督は言う。「連敗をしないのは大きい。さすがに3つというのは、この時期、まだ4月といえども痛いからね」。悪循環をスパッと一刀両断。戦いが進むにつれて、金本阪神は勝ちパターンを整える。【酒井俊作】