真中監督「爽快なゲーム」采配ズバリ!代打飯原V弾

7回裏ヤクルト1死二塁、左越え2点本塁打の代打飯原(手前)を笑顔で迎える真中監督(右から2人目)(撮影・松本俊)

<ヤクルト4-3巨人>◇30日◇神宮

 ヤクルトは最高の形で4月を終えた。

 1点を追う7回、巨人が2番手の山口を投入すると真中満監督(45)が右の代打攻勢を仕掛けた。

 1死から、代打田中浩が左中間を突破する二塁打。1番に回ると飯原を送った。

 飯原は2球で追い込まれたが平行カウントとし、5球目のチェンジアップについていった。「初球に空振りしていたのと同じ球。ヒットにするというシンプルな気持ちだった」。見逃せばボールのコースだったが芯に合わせ、左翼席へ千金打を運んだ。

 真中監督は「ベテラン2人で逆転。爽快なゲーム。出番のない中で、しっかり準備をしてくれている。ベストなところで、いい選択ができた」と話した。勝因としては「逆転されたが小川が粘り強く次の点を与えず、こういうゲームになった」と、先発小川の中盤を挙げた。

 4回から立ち直った。小川は「腕を振りにいって、真っすぐで押せた。自分のボールを投げることに集中した」と話した。上から強くたたく腕の振りが変化球、特に縦変化のフォークボール、チェンジアップに相乗効果を生み、揺れ動いていた試合の流れを止めた。

 ヤクルトは、一振りで決める長打力と、追い込まれてからも対応できる技術を両立させている野手が多い。ブルペンも相変わらず手堅い。小川のように先発が粘っていけば、中盤以降、確実にチャンスが来る。

 3連勝で4月をフィニッシュ。「まだまだ修正点はあるが、チームとして粘れてきた。5月、いい形でつなげたい」と真中監督。「型」を持っているチームは、個々の調子に波があっても徐々に上昇していく。前日のヒーロー石川、この日の飯原が「スワローズのゴールデンウイークにする」と口をそろえた。借金2はほどなく解消するだろう。