<ソフトバンク3-2楽天>◇6日◇ヤフオクドーム
もう貯金10! ソフトバンクが、終盤の粘りを見せて楽天に逆転勝ちした。8回、中村晃外野手(26)が右翼越えに逆転2点二塁打。6試合負けなし、引き分けを挟んで4連勝とし、貯金は今季30試合目で10に増やした。終盤の粘りは、あきらめない熱男たちの得意技。1点差は7勝3敗。3連覇へ向け、とどまることを知らない。
熱男になりすぎないのが中村晃のいいところだ。1点を追う8回2死二塁。四球で歩いた松田から「任せた!」と大声で思いを託された。もっとも、中村晃は「そんなに任されても…」と冷静だった。フルカウントから青山のフォークを捉えフェンス直撃の右翼越え2点適時二塁打。フルカウントになれば走者はスタートを切る。3ボールから我慢しての一打で一気に逆転できた。
「投手は違うけど」。6回1死満塁では、則本のフォークをとらえきれず一飛になった反省を生かした。ここ5試合で2本塁打、1二塁打、6打点と打球が強く、今年求めている長打が出始めている。開幕から指1本分短くバットを持ち、脱力して構えるなど試行錯誤を続けながら、結果を残している。
この日は高田の26歳の誕生日。お立ち台では高田を呼び出し、ファンと一緒に「ハッピバースデー、ディア、ジャパ~(高田の愛称)」と高らかに歌った。「みんなで決めました。いい誕生日になったと思います」。派手なことを好まない男が、笑顔でマイクを握った。レギュラー定着4年目、中心選手の自覚が芽生え始めている。
ヤフオクドームでは、今年ようやく個人弁当の「晃のパワフルスタミナ弁当」が発売された。地味なキャラクターと出身地・埼玉県の名物がなく、ずっと販売されなかった。「直接は(弁当を見ていないので)分かんないですけどね」と笑いながらも、弁当の存在がうれしかった。
貯金10の大台にも中村晃は「まだ…」と無関心。工藤監督も「貯金よりも、どことやっても勝ち越せるようにする。3連戦の初戦が大事」と、ブレない。脱地味キャラ、脱単打と変わろうとしている中村晃が、ホークスに新たな魅力をもたらしている。【石橋隆雄】