<DeNA5-5阪神>◇15日◇横浜
虎打線のキーマンが、復調を印象づける活躍だ。阪神鳥谷敬内野手(34)が77打席ぶりの1発を放った。1点先制直後の4回2死三塁、左翼席へ2号2ランを決めた。6回にも右前適時打。3打点と暴れ、通算736打点は田淵幸一を抜いて球団歴代7位となった。
鳥谷が重量感たっぷりの140キロを押し返した。4回だ。無死満塁で5番ゴメスが遊ゴロ併殺打。この間に1点を先制したが、猛攻モードが1度しぼんだ直後だった。2死三塁、カウント1-2。追い込まれながら、DeNA山口の失投を逃さない。「バットに当てれば、なんとかなると思って」。直球が真ん中高めに浮くと、左翼ポール際の観客席まで届かせた。
4月22日広島戦以来、77打席ぶりの1発。「あのイニングを1点だけで終わるのと点が入るのとでは、ゲームの流れが違ってくる」。本人の言葉を借りるまでもなく、試合の主導権を握る2号2ランだった。さらに3点リードの6回2死二塁では初球フォークを狙い打ち。右前適時打で貴重な追加点をたたき出し、金本監督を「トリらしい当たり。変化球が落ちる前をね」と納得させた。
前日14日DeNA戦で23打席ぶりの安打を放ったばかり。練習中には若手とともに2日連続で特打を敢行した。室内練習場に約20分間こもり、打ち込んでから通常のフリー打撃へ。感覚のズレをコツコツ修正。開幕時より右足の上げ幅を小さくしたフォームで2安打3打点を記録した。
プロ13年目。積み重ねた安打は1801本。通算736打点は田淵幸一を抜き、球団歴代7位に躍り出た。いよいよ2000安打の大台が視界に入ってきたが、鳥谷は至って冷静だ。4月下旬、かつて同僚だった広島新井が通算2000安打を達成した時も、自分の「Xデー」については苦笑いで一蹴していた。
「まだ全然…。2000本を目指して野球をしているわけじゃないから」
いざシーズンに入れば、個人記録には目もくれない。6回には今季3盗塁目となる二盗も記録。チーム全体でも4月23日広島戦で西岡が成功して以来、実に17試合ぶりの盗塁を決めた。ただ、結果は4点リードを守りきれずに引き分け。「まだ、いいと言える状態ではない。次の試合も頑張ります」と多くは語らず、帰阪の途に就いた。
「そろそろエンジンをかけて本調子に戻ってくれないと。戻ってほしいね」
金本監督は試合後、キャプテン復調への期待感を隠さなかった。シーズンは残り102試合もある。ここから、右肩上がりの直線上を突っ走る。【佐井陽介】