巨人9年ぶり6連敗5位転落…菅野でもダメ

3回表を終え、重信の好守に助けられた菅野は苦笑いを見せる(撮影・河野匠)

<巨人0-1阪神>◇27日◇東京ドーム

 巨人はエースの不敗神話が崩壊し、9年ぶりの6連敗を喫した。今季登板試合で7勝2分けだった菅野を立てた。10戦目も7回1失点(自責0)と不変の好投を見せた。だが違ったのは黒星がついたこと。打線の援護に恵まれないが、この日は0点。高橋監督は「もうずっと援護してあげられていない。智之(菅野)に申し訳ない。でも今後も頑張ってもらうしかない」と孤軍奮闘の右腕をかばった。

 阪神の新星岩貞と堂々と投げ合った。防御率、奪三振で1、2位の対決。菅野は好敵手として楽しみにし、絶対に勝ちたかった。「勝つのと負けるでは、岩貞の巨人に対するイメージも違うと思う」。決して好調ではなかった。初回は直球が抜け、ストライクを取ることにも苦労した。「ストライクを投げたいが、立ち上がりは難しい」。1死一、二塁から坂本の三塁悪送球で1点を失った。

 真骨頂は示した。苦しみながらゼロを並べる。6回2死二、三塁で今成を外角直球で見逃し三振に切り、ほえた。最少失点に抑え、味方に託した。それを上回る完封の後輩左腕を素直にたたえた。「1-0と均衡している試合で最後まで投げ抜いた。これだけの数字を残しているのは納得です」。付け加えた。「ただプロですから。次の機会があればやり返さないと」と誓った。

 菅野が勝利に導いた20日の中日戦の翌日から始まった負の連鎖。ローテが1巡し、1度も勝てなかったことを意味していた。指揮官は「毎日試合がある。続きをやるわけではない。目の前の試合をやるだけ」と強調した。【広重竜太郎】

 ▼巨人は6連敗で借金1。巨人の借金は昨年7月27日以来だが、6連敗は07年7月6~12日以来、9年ぶり。この日は坂本の失策による1失点で敗戦。適時失策で0-1敗戦は昨年9月15日広島戦以来で前回も坂本の失策で菅野が敗戦投手だった。これで巨人の失策はリーグ最多の32個となったが、投手別では菅野が投げている時の8個が最も多い。防御率1位の菅野は打線の援護が少ない上に、守りでも足を引っ張られている。