ヤクルト山田11球団制圧弾「初球決め打ちですね」

5回表ヤクルト2死三塁、左越えに2点本塁打を放ち笑顔で生還する山田

<日本生命セパ交流戦:日本ハム4-8ヤクルト>◇5月31日◇札幌ドーム

 ヤクルト山田が「11球団アーチ」を達成した。唯一本塁打「0」だった日本ハムから、交流戦開幕戦で決めた。データは頭に入っていた。「初球から打つ」とも決めていた。2点リードの5回2死三塁。日本ハム有原の初球、内角高め148キロ直球を逃さなかった。「決め打ちですね。コース、球種とかは関係なかった。初球から打とうと思って、思いきった結果」。リーグ単独トップの16号2ランを左中間席へ放り込んだ。

 ネクストバッターズサークルで思い返した。「有原は直球、カット主体の投球。右打者には外中心の配球」。だが、直感が動いた。第1打席を回想した。3球三振。初球以外、全て内角に攻め込まれた。データよりも、現場の空気を優先。第1打席で抑えられた内角が来ると信じた。「打席に入る前に初球を打つと決めていた」。第3打席で最高の結果に結びつけた。

 “質問魔”となったことで、今年も順調に結果を残す。昨季は、トリプルスリー&本塁打王に輝いた。他球団からのマークが当然激しくなる中、配球面をより考えるようになった。相手投手の得点圏での配球や癖を押尾戦略コーチ兼スコアラーに聞き込んだ。「去年よりも打席の前に聞きにくる回数は増えた」と同コーチは証言する。真面目な姿勢が生んだデータと、打席で培ってきた直感。今年も山田の本塁打が止まらないはずだ。【栗田尚樹】