金本監督ゲキから反骨打「あきらめる選手いらない」

7回裏の攻撃前、ジェット風船を背に金本監督を中心に円陣を組む阪神ナイン

<日本生命セパ交流戦:阪神4-8ソフトバンク>◇19日◇甲子園

 能ある鷹にもツメ立てろ! 3戦目は力負けでカード負け越しとなった「日本生命セ・パ交流戦」ソフトバンク戦。日本一軍団に押しつぶされそうな7回裏、阪神金本知憲監督(48)は円陣で「あきらめるような選手はいらない!」とカツを入れた。直後に中谷と北條が連続適時打を放つなど3イニングで7安打4得点の反発。ワースト借金5の苦境でも「超変革」魂だけは絶やせない!

 指揮官の一言で空気が張り詰めた。ワンサイドゲームの甲子園。大量5点を追い、完敗ムードも漂う7回の攻撃前だ。一塁側ベンチ前での円陣。輪の中心で金本監督が口を開いた。

 「7回で5点差。あきらめる点数じゃないぞ。そこであきらめるような、淡々とプレーする選手はいらない!」

 ナインの発奮をうながす猛ゲキで闘志に火を付けた。直後の攻撃。手塩にかけた金本チルドレンが武田にキバをむく。先頭原口が左翼線二塁打で口火を切ると、途中出場の中谷が中堅フェンス直撃の適時二塁打で反撃。北條も追い込まれながら、ファウルで2度逃げ、食らいついて左前適時打を放つ。2点をかえし、3点差に迫った。終わってみれば4-8の大敗。だが、9回にも2得点したように、あっけない敗北で終わらなかった。悔しい黒星に、スローガンの「超変革」を刻み込んだ。

 勝負事で、もっとも大切なことがある。金本監督は「北條なんかは粘って、ああいうヒットを打った。そういうところです。大事なのは。今年になって1から植えつけていく。執念とか、そういう気持ちを大事にしないと前に進まない。強くはなっていかない。向かっていく姿勢というか、相手も、そういうチームの方が手応えあると思う。こいつらあきらめんなというね。そこが原点」と話す。劣勢でこそ、気構えが試される。

 最強ソフトバンクに完敗し、今季ワーストの借金5に膨れた。だが、チーム改革の志は衰えない。前日18日の夜、金本監督は坂井オーナーや四藤球団社長と慰労会に臨み、激励された。トップ会談で膝を突き合わせ、現状や改善点を話し合い、阪神再生の思いを強くしただろう。若手を抜てきしながら、勝利も追い求める。昨年10月、就任会見で「ひょうひょう、淡々とこなしていくような試合は避けたい。避けたいというか僕が許せない」と話していた。初心はますます燃えさかる。今季70試合目も信念はブレなかった。

 この日「弱いチームなんだから」と言った。そして付け加える。「主力がどうしても調子が上がってこない。逆に若手が『俺らだけで頑張ってやるぞ』という気持ちが欲しかった」。勝負への気概、球際への執念…。大敗のなかで、1歩、前に進んだ。【酒井俊作】

 ▼阪神は31勝36敗3分けで借金5。昨季5月19日以来となった。昨季はその後盛り返し、貯金を最大8とし、最終は借金1だった。