<ヤクルト6-3巨人>◇3日◇秋田
またしても、この男が決めた。ヤクルト山田哲人内野手(23)が、1点を追う7回無死一塁で左翼スタンドに逆転28号2ランを放った。前日2日に続く山田の決勝アーチで、チームは最下位から脱出した。80試合で28本到達は、シーズン50本ペース。達成すれば、日本人では02年の巨人松井秀喜以来、6人目となる。通算100号の大台にも、あと1本となった。
まさに山田劇場だった。1点を追う7回無死一塁。山田は巨人マシソンの速球に狙いを定めた。「何度も対戦している。球筋は分かる。直球系に狙いを絞って。バットが長いとヒットにならないので少し短く持って」。150キロのツーシームをとらえると、打球は左翼方向へグングンと加速した。逆転の28号2ラン。前日2日の勝ち越しアーチに続き、山田のバットが勝負を決めた。
2日連続のヒーローインタビューで、本塁打を放つコツを聞かれた。山田が「ありのままいくしかない」と答えると、スタンドのファンから「どういう意味?」と突っ込まれた。聞こえなかったのか、これには答えなかったが、山田は常に打席で自分のスイングをすることに集中している。
打率、打点、本塁打数、安打数でもリーグ1位に位置する。80試合目での28号はシーズン50本ペース。達成すれば、日本人では02年巨人松井以来14年ぶりになる。周囲の期待は高まるばかりだが、山田は「数字を意識し過ぎると大振りになってしまう。コンパクトなスイングができるように」と冷静に話すだけだった。
約910グラムのアディダス社製のバットは、トリプルスリーを達成した昨季から他球団の選手から「欲しい」という希望が殺到しているという。首位を走る広島で「神ってる」の代名詞でもある鈴木からもリクエストがきた。山田は「なんか欲しいって言われて。僕のバットをあげてからホームランを打ったらしいですよ」という。今や誰もマネできない…いわば「無双ってる」山田にあやかりたい選手は多いだろう。
この日の1本は通算99号で、大台も見えてきた。これも「数字は何でも」と言うだけだが、チームの最下位脱出はうれしいニュースだ。「チームが勝つことしか考えていません」。上を行く4位巨人とは1ゲーム差。山田のバットで、さらに上位を狙っていく。