<中日1-4広島>◇5日◇富山
「神ってる」男のバットが、またも鯉に勝利を運んできた。富山での中日戦。広島鈴木誠也外野手(21)が同点の7回に勝ち越しの左前適時打を放った。チームは貯金17。今日6日、金沢での一戦には日米通算200勝をかけ、黒田博樹投手(41)が先発する。
外角へ逃げながら落ちていく大野のツーシームに、鈴木のバットが伸びた。捉えた打球はサード福田を越えた。勝ち越しの二塁走者が生還。乗りに乗る、売り出し中の鈴木が、北陸の地でも「神った」。
「前の方がつないでくれたので、ゲッツーでもいいと思って打席に入った。チームがあそこで乗っていけたので良かった」
交流戦の活躍から内角攻めが増すなど、相手バッテリーの配球が変わった。前日まで6試合連続四球が相手の警戒心の高さを示す。「がっついていたのを我慢できるようになってきた。消極的でなく、がっつくこともなく、というのができている。継続してできるようにしたい」。2回と9回の安打も合わせ3安打。相手の警戒網をかいくぐり、6月17日オリックス戦以来の猛打賞を記録した。
1センチの違いが、好調の要因の1つ。85・5センチのバットから86・5センチのものに変えてから、緒方監督が「今どきの言葉で言うなら神ってる」とたたえた3試合連続決勝弾が生まれた。落合博満氏の著書を読み、バットの長さを感じながら遠心力を使ったスイングを求めようとした。3戦連弾は偶然ではなく、鈴木の探究心が生んだたまものだった。
鈴木のバットが試合の流れを引き寄せ、同期入団の下水流も続いた。中日のエースを攻略し、2連勝。貯金は今季最多の17となり、2位DeNAにも最多の10・5ゲーム差をつけた。緒方監督は「相手のエースに勝てたことが大きい。後半戦も2、3回当たるだろうし、そういう意味でも今日の勝利は大きい」と手ごたえを口にした。交流戦では日本生命賞を受賞し、監督推薦で球宴初出場も決まった。神懸かり的な活躍で、注目度も「神ってきた」。だが、鈴木は「1試合1試合やることは変わらない。自分の役割をやってくだけ」。冷静に次の戦いを見つめた。【前原淳】