ソフトバンク工藤監督ら熊本被災地にサプライズ慰問

野球クラブの練習にサプライズ参加し、記念写真に納まる工藤監督(左端)らナイン

 ソフトバンク長谷川勇也外野手(31)ら9選手と工藤公康監督(53)が21日、熊本地震の被災地、益城町を慰問に訪れた。シーズン中には異例だが、長谷川選手会長らの強い思いで実現した。避難所や小学校で多くの人と触れ合った。まだ多くの家屋が倒壊したままの現実を知り、オフには3連覇の報告を持って再び訪れる決意を強くした。

 内川、長谷川らソフトバンクナインがバスから登場すると、何も知らされていなかった野球少年たちは驚きと歓喜の表情で大騒ぎとなった。熊本地震の被害が大きかった益城町にある広安小学校。合同練習していた広西少年野球クラブと益城中央少年野球クラブの約40人の選手にとって最高のサプライズだった。

 今まで使用してきたグラウンドには仮設住宅が建てられた。今も避難所で生活を続ける子どももいる。4月16日未明の本震後は3週間野球ができなかった。益城中央の永田健監督(35)は「あんな笑顔、久しぶりに見ました」。五十嵐らと一生懸命に軟球を追う少年たち。その横ではスーツ姿の工藤監督も笑顔で見守った。

 これまでも募金活動やヤフオクドームへの招待などを行っていたが、長谷川選手会長らは、1日でも早く被災地を訪れたかった。移動を伴わない試合のない日がこの日しかなく、1カ月半前から球団が避難所などと調整を続けてきた。

 バスの中から見る景色に絶句した。3カ月以上経っても倒壊したままの家屋が道路の左右に広がっていた。長谷川は「ただ、ただ驚きました。手つかずのところがたくさんあった。想像以上に被害が大きかったというのが率直な感想です」と驚きを隠せなかった。

 まだ800人が避難所生活を送る益城町総合体育館では400人の被災者と触れ合った。長谷川は「僕たちができることは、みなさんのために3連覇したというニュースを届けることしかないのかなと思う」とあらためて3連覇を誓った。

 東日本大震災の復興活動にも熱心な工藤監督は「シーズン中で疲れている中、選手会が動いてくれたのはいいこと。今日も多くの人から勝ってね、優勝してねと言われた。励ましに来たのに励まされた。明るい話題を僕らが出せれば」と思いは同じだ。

 今回、都合がつかなかった選手にも長谷川らが現状を伝える。オフにはより多くのナインが励ましに来ることになるはずだ。工藤監督が「風化させてはいけない」と話すように、「ファイト九州」を掲げるホークスは被災地復興へ協力を続けていく。【石橋隆雄】

<ソフトバンクの熊本慰問>

 ◆午後1時30分ごろ 選手9人を乗せたバスがヤフオクドームを出発。

 ◆午後1時36分 工藤監督が博多から九州新幹線で熊本へ。

 ◆午後3時10分 工藤監督が熊本県庁を訪問し、蒲島郁夫知事に義援金100万円を手渡す。

 ◆午後4時 工藤監督、選手が益城町総合体育館で被災者を慰問。約400人にタオル、巾着袋、リストバンドを手渡し、サインや握手、記念撮影に応じる。

 ◆午後5時 工藤監督、選手が益城町立広安小学校で広西少年野球クラブ、益城中央少年野球クラブの合同練習にサプライズ参加。ノックを指導した後、急きょ両チームの全選手、約40人が内川投手との対戦を楽しんだ。

 ◆午後6時半 両チームが選手と記念撮影し、終了。