阪神藤浪4盗塁も許し6敗 クセ盗まれてる?

5回裏広島2死満塁、石原に押し出し四球を与えた藤浪(撮影・栗木一考)

<広島4-2阪神>◇22日◇マツダスタジアム

 何かがおかしい。阪神藤浪は2者連続タイムリーで2点を先制された直後、信じられないといった表情でスコアボードを見つめ続けた。2回1死二塁。6番鈴木に外角152キロ直球を完全に張られ中前適時打。二盗と味方失策で1死三塁。7番安部には内角低めいっぱい151キロを引っ張られ、右前に持っていかれた。

 藤浪 安部さんにも鈴木にも、いいところにはいったんですが、いい当たりをされてしまいました。

 フォームを改良しての後半戦初マウンド。左足をゆっくり上げて、上からたたく。マリナーズ岩隈をほうふつとさせるスタイルを披露し、初回は先頭から2者連続で直球オンリーの3球三振スタート。にもかかわらず、2回はルナと鈴木に二盗を許し、2失点。5回には再びルナの二盗が絡み、押し出し四球で4点目。

 藤浪 (新フォームは)いいのか悪いのか判断しかねるところです。

 計4盗塁を決められ、6回4失点で6敗目。自身4連敗という数字以上に、広島相手の苦戦ぶりが気がかりだ。7月8日甲子園では161球の“懲罰続投”を命じられて8回8失点。この日は試合中のベンチで香田投手コーチと話し込み、6回からセットポジションの際に置くグラブの位置を、通常のベルト付近から胸の前に変更した。

 藤浪 走られていたので工夫しようと思って。

 思い返せば、15年5月8日広島戦でも4回7失点で迎えた5イニング目から同じ処置を取っている。昨季から広島戦8戦先発で1勝5敗、防御率3・78。金本監督はクセについて「それもあるかもね。気持ちよく打たれすぎだね」と言及。これ以上カープの独走を許さないためにも、原因究明が急がれる。【佐井陽介】

 ▼藤浪が8奪三振で今季107奪三振とし、新人年の13年から4年連続で100奪三振以上を記録した。ドラフト入団の投手では(1)鈴木啓示(近鉄)13年(2)江夏豊(阪神、南海)10年(3)田中将大(楽天)7年(4)森安敏明(東映)4年に続き、5人目となった。