広島野村プロ初の3被弾 監督「こういう日もある」

1回表DeNA1死一、三塁、筒香(手前)に先制3点本塁打を浴びる野村

<広島3-19DeNA>◇29日◇マツダスタジアム

 広島は先発野村祐輔投手(27)が今季ワーストの4回8失点で降板。5月25日巨人戦(マツダスタジアム)からの連勝は8で止まり、3敗目を喫した。2番手以降の中継ぎ陣も流れを止められず、ともに今季ワーストの24安打19失点を喫した。大敗にも、25年ぶり頂点へ懸命に前を向く。

 満員のマツダスタジアムに、何度も悲鳴が響いた。大量ビハインドに試合は中盤に決した。6回表には石原がベンチに退くと、菊池、新井、ルナと主力選手が次々に交代となった。広島ベンチはすでに次なる戦いを見据えた。最後は今村が無失点に抑え、鈴木が1点を返す適時打を放った。大敗の中にも、次戦に光はつないだ。

 緒方監督 楽しみに応援に来てくれたファン、最後まで声援を送ってくれたファンに申し訳ない試合展開にしてしまった。明日、またチーム一丸となって戦いたい。

 ハーラートップを快走する野村が誤算だった。好調の要因だった粘り強さが、この日はなかった。1回1死一、三塁から筒香に初球を右中間スタンドに運ばれ、先制点を献上。最も警戒していた打者に出はなをくじかれると、3回無死一塁からはロペスへの2球目が甘くなった。打球はセンターバックスクリーン左へ一直線。さらに4回は再び筒香。フルカウントから外角球をセンターバックスクリーン左に持っていかれた。試合前まで16試合で3被弾だった右腕が、1試合で同じ3発を浴びた。1試合3被弾はプロ入り初の屈辱で、自責8は自己ワーストタイ。今季最短の4回でマウンドを降り、自身の連勝は8で止まった。

 勢いづいたDeNA打線に中継ぎ陣ものみ込まれた。5回はオスカルが打者一巡7安打の猛攻を浴び、6回は今季初登板のベテラン久本が満弾など5失点。今季ワーストの19失点。好きなようにやられた。

 責任投球回を投げきれなかった野村にも「こういう日もあるでしょう」とチームを引っ張ってきた右腕をかばった。大敗にも、指揮官は前を向く。早ければマジックは2日に34が点灯。たかが1敗で、歩みを止めるわけにはいかない。【前原淳】