楽天聖沢8回に先制V打「子ペレス打法です」

8回表楽天1死満塁、2点適時打を放ちベンチに手を振る聖沢(撮影・中島郁夫)

<ロッテ0-9楽天>◇29日◇QVCマリン

 大逆転でのCS進出へ向け、軽快な号砲を打ち鳴らした。楽天が12安打中7安打を8、9回に集中させ、終盤の9得点で3位ロッテを下した。後半戦2度目の先発出場となった聖沢諒外野手(30)が、8回に決勝打を放つなど殊勲の3安打3打点。先発の美馬も7回3安打無失点で7勝目を挙げた。ロッテとのゲーム差を11に縮め、今日30日はエース則本が登板。まだパ・リーグの灯は消さない。

 不遇にも腐らない男、聖沢のバットが0-0の均衡を鋭く打ち破った。8回1死満塁。ロッテ2番手益田の内角150キロに、細身の体を回転させた。お手本のようなセンター返しが中前を弾む間に、走者2人の生還を見届けてガッツポーズ。「最低でも外野フライを」と意識したチームバッティングは、4月30日以来のQVCマリン勝利を決めた最高の一打となった。

 必然の3安打3打点だった。規定打席未到達ながら打率3割6厘も、新外国人のペレスやペゲーロ、オコエらの存在から、今季の先発出場はわずか40試合。それでも「近年は、腐っている時間が無駄だと思うんです。3割打っているのに何でとか、腐って適当な1日を過ごしている暇はない」と、常に最良の準備を続けてきた。投手のクセを探る映像の確認や、打撃フォームの改良。右足を大きく開く極端なオープンスタンスは、同僚ペレスにヒントを得た。「子ペレス打法です。右足が上から入るので、スイングで右の腰が上を向く悪い癖が治る。ベンチにいたから分かったことです」。悔しさも、全て自らの成長へとつなげてきた。

 「師匠です」というペレスとは「お辞儀ポーズ」をまねしてコミュニケーションを取り、後輩オコエは食事に連れて行く。勝利を目指すチームの仲間として、互いに学びながら共闘したいと考える。「出られないからとイライラせずに毎日を一生懸命に過ごしていれば、野球の神様が必ずいいところで打たせてくれるんです」。巧打、俊足、堅守でチームに活力を与える12年盗塁王の復活。梨田監督は「いつもしっかりと準備をしてくれている。少ないチャンスをものにしてくれた」と頼もしさを感じ取る。大逆転でのCS進出へ向け、聖沢が後半戦の起爆剤となる。【松本岳志】