<阪神6-2DeNA>◇2日◇横浜
虎の逆襲ロードに欠かせぬ左腕が、復活勝利を挙げた。阪神岩貞祐太投手(24)が、8回2失点の力投で5月27日の巨人戦以来となる白星をマークした。毎回の11三振を奪う快投で、打線の援護も受け今季5勝目。同い年で7月大暴れしたDeNA筒香との対決も4打数1安打に抑え、カード初戦でしっかりと仕事を果たした。
青ざめていた岩貞の顔がすっかり笑顔に変わっていた。勝利の瞬間、真っ先にベンチから飛び出す。最高のスマイルを浮かべ、ハイタッチでチームメートを出迎えた。「長かったですね。今日も勝たせてもらったような試合なんですけど、チームに迷惑を掛けていたので、連戦の最初に勝てて良かったです」。完封勝ちした5月27日巨人戦以来、7試合連続白星がなかった。2カ月も続いたトンネル。夏本番を迎えてようやく抜けた。
1度は白星を手放しかけた。1点リードの8回1死。代打後藤に高めに、この日の94球目、浮いたチェンジアップを右翼席まで運ばれた。痛恨の同点弾。肩を落としてベンチに戻ったが、チームは9回に守護神山崎康を攻略して見事、勝ち越し。待ち望んだ今季5勝目を振り返り、岩貞は「ほんとに野手の方には感謝しかない」と神妙な表情で話した。
入念なバッテリーミーティングが実を結んだ。絶好調の4番筒香を4打数1安打と食い止めた。2回の1打席目に中前打を許したが、それ以降は3打席連続ゴロアウト。同点弾を浴びた直後の8回には2死一、三塁の場面で主砲を迎えたが、スライダーを2球続けて最後は外角直球で遊ゴロに仕留めた。「今日はスライダーがいい感じだったし、そういう配球も原口がしてくれた」。カード初戦で乗せてはいけない相手。遊撃鳥谷の好ポジションもあり、傷口を最小限に抑えたのは、今日3日以降にもつながるはずだ。
マジメな男にようやく運が巡ってきた。勝てない期間も黙々と練習に打ち込んだ。香田投手コーチらと「横振り」になっていた投球フォームを春先のような「縦振り」に修正。信じてこの日を待っていた。試合前には、三塁ベンチの隅っこに猫が出現。騒然となった。屋外の横浜スタジアムであっても珍しい出来事。ちょうど試合中に背番号17が座っていた辺りだ。岩貞にとって、白星を呼び寄せてくれるありがたい招き猫だったかもしれない。【桝井聡】