巨人田口「相手に立ち向かって行けた」プロ初完封

中日対巨人 プロ初完封勝利を挙げ、ガッツポーズする田口(撮影・前岡正明)

<中日0-5巨人>◇3日◇ナゴヤドーム

 巨人が若き左腕の快投で5連勝とし、広島追撃のギアを上げた。田口麗斗投手(20)が中日戦で9回を2安打に抑える完璧な内容。打撃でも4回に適時打を放ち、投打にわたる活躍でプロ初完封勝利を飾った。自身4連勝で、マシソンと並び、先発陣では勝ち頭となる7勝目。菅野頼みだった前半戦から一転、頼もしい1枚が加わった。首位広島が敗れ、7ゲーム差。奇跡の逆転Vへの地盤固めができつつある。

 田口は力を入れずに投げた。電光掲示板の球速は気にせず、キレのいい球を目指した。140キロを超えたのは4球だけ。ほとんどが130キロ台後半だが、中日打線を完璧に抑えた。2安打無四球でプロ初完封。「テンポよく投げられたことがよかった。相手をゼロに抑える気持ちで立ち向かえた」。攻撃でも4回に2死満塁で中前打を放ち打点を挙げた。投打の活躍で、チームを5連勝に導いた。

 昨年までは球速表示を気にして力任せに腕を振っていた。最速147キロを誇りながらも抑えられないことがあった。だが、昨季後半、菅野とキャッチボールをして気付いた。「軽く投げてるのに、すごい速さを感じた。これだと思ったんです」。球速へのこだわりを捨て、力まず投げるよう心がけた。すると球速は落ちたが、打者の手元で伸びるようになった。

 試合前の練習中、今村に話しかけた。前日2日に勝ち星を挙げた同じ左腕から「内角を攻めた方がいい」と助言を受け、それを実践した。ナゴヤドームは相性が良く、21回1/3を無失点に抑えている。マウンドの傾斜が強く「スライダーが生きる。真っすぐも角度がしっかりつく」と、その特性を生かしている。小さなヒントも逃さず成長に結びつけている。

 オフは110メートルの遠投を繰り返し、私生活では疲労回復に重点を置いた。サプリメントの摂取や睡眠時間を気にするようになった。「食事の管理に、生活リズムも気をつけています。それが今の状態を維持できているんだと思います」。暑い夏場になってもキレが落ちないことで、効果を証明している。

 普段は課題を指摘することが多い高橋監督も「言うことがないですね。いい投球を続けているし、日々成長している」と、珍しくほめたたえた。広島が敗れ、ゲーム差は7に縮まった。勢いに乗った状態で、明日5日からの敵地での直接対決を迎える。田口は「結果としてどうかが大事。1戦1戦勝っていけたらいい」。奇跡の逆転優勝へ、頼もしい若武者が台頭してきた。【細江純平】

 ▼20歳10カ月の田口がプロ初完封。20歳以下で完封した巨人投手は12年5月1日広島戦の宮国(20歳0カ月)以来だが、左腕では71年6月1日中日戦の新浦(20歳0カ月)以来、45年ぶり。許した安打は高橋と大島の2本だけで、20歳以下で2安打完封の巨人投手は83年5月14日中日戦の槙原(19歳9カ月)以来、33年ぶり。ナゴヤドームは昨年9月21日(5回1/3)今年の4月9日(7回)に次いで3度目の登板だったが、3試合とも0点に抑え、同球場は通算21回1/3を投げて無失点だ。